毎日チョコレートを食べていても心身の調子が良くなったりはしない

(2015年4月) 過去の様々な研究ではチョコレートには血圧やコレステロールの短期的な低下や、インスリン感受性の改善などの健康効果が認められていますが、 "PLOS ONE" に掲載されたマドリード自治大学(スペイン)などの研究でチョコレートは心身の健康に関する生活の質(HRQOL)の向上に寄与しないという結果になっています。
Balboa-Castillo T, Lopez-Garcia E, Leon-Munoz LM, Perez-Tasigchana RF, Banegas JR, et al. (2015) Chocolate and Health-Related Quality of Life: A Prospective Study. (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法
この研究では、18才以上の男女 4,599人を対象に平均3.5年間にわたる追跡調査を行い、チョコレートの摂取量とHRQLの関係を調べました。 HRQLの尺度として用いられたのはSF-12と呼ばれるアンケートでした。
SF-12では、全般的な健康状態や、日常生活や娯楽的なスポーツ(ゴルフなど)を支障なく行えるかどうか、心身の問題により仕事などの日常生活に支障が出ていないか、静穏な気持ちで過ごせているかどうか、抑鬱が無いかどうか、活力があるかどうかを尋ねます。
結果

追跡開始の時点におけるチョコレート摂取量と、3年後の心身両面におけるHRQOLスコアとのあいだに関係性は見られませんでした。 高血圧高脂血症糖尿病と診断されていた人たちに限っても同様の結果でした。

追跡調査開始の時点で、1日あたりに食べるチョコレートの量が10g以下という人は11%、10g超だという人は17%で、72%の人にはチョコレートを食べる習慣がありませんでした。 チョコレートを食べる習慣がある人は以下に該当する傾向にありました:

  • 女性である
  • 若い
  • 教育水準が高い
  • 飲酒量が少ない
  • 摂取カロリーが多い
  • それでいてBMIが低い
  • 腹部の脂肪も付いていない
今回の研究の弱点
研究チームによると今回の研究には、チョコレートの摂取量が被験者本人の申告に基づいている、追跡調査を開始する遥か以前から食べていたチョコレートの影響を考慮していない、チョコレートの摂取量が追跡期間中に変化する可能性を考慮していないなどの弱点があるため、今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。