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高コレステロールが乳ガンを促進する

(2013年11月) "Science" 誌に掲載されたデューク大学の研究によると、27HC と呼ばれるコレステロールの副産物がエストロゲン(*)のように作用して、最も一般的なタイプの乳ガンの成長と他の臓器への転移を促進します。
(*) 女性ホルモン。 乳ガン全体の75%に関与していると推算されている。
研究者は次のように述べています:

「これまでの多数の研究で肥満、特に高コレステロールと乳ガンの関係が示されてきましたが、高コレステロールによって乳ガンのリスクが増加する理由は解明されていませんでした」

「今回の研究では、コレステロール自体ではなく、コレステロールの代謝物である 27HC という分子が、エストロゲンのように作用して乳ガンの成長を独立的に促進していることが明らかになりました」
27HC

ヒトの乳ガン組織を使った実験では、27HC を作る酵素の量が多いと乳ガン腫瘍の侵攻性(増殖の速さ)が強まること、そして、腫瘍から離れた場所で作られた 27HC が腫瘍が存在する場所にまで輸送される場合もあることが明らかになりました。

27HC を作る酵素については詳しく述べられていませんが、研究者によると、この酵素は乳ガン腫瘍が作り出すようです:
「アロマターゼ阻害薬やタモキシフェンが効きにくくなる原因が 27HC である可能性が過去の複数の研究で指摘されていますが、それは、乳ガン腫瘍がエストロゲンの代わりに 27HC を用いるからかもしれません。 乳ガン腫瘍は、悪化したものほど(27HC を作る)酵素を多く持っています」
27HC 対策

今回の研究によると、27HC の作用はスタチンなどの抗コレステロール薬、あるいは抗エストロゲン剤によって消滅すると思われます。

したがって、(特に閉経後の女性が)食事内容に気をつけたり薬を飲んだりしてコレステロールを減らすだけで、乳ガンのリスクを容易に減らせる可能性があります。

また、すでに乳ガンになっている人でも、コレステロール値が高い場合には下げることによって、乳ガンの腫瘍が、抗エストロゲン薬であるタモキシフェンやアロマターゼ阻害薬(乳ガンの最も一般的な治療薬の1つ)への耐性を獲得するのを阻止または遅延できる可能性があります。