コレステロールによる心臓への悪影響は男性のほうが大きい

(2013年8月) "Epidemiology" 誌に掲載されたノルウェーの研究で、中年者ではコレステロールによる心臓発作のリスク増加が女性よりも男性で大きいことが明らかになりました。 コレステロールが高い60歳以下の男女4万人以上のデータを分析したところ、心臓発作になるリスクにおいて男性が女性の3倍だったのです。

研究の内容
この研究では、60歳以下の女性 23,525人および男性 20,725人のデータを分析しました。 12年間の追跡期間中に初めての心臓発作を起こしたのが、男性で522人であったのに対して女性では157人でした。 この研究では、研究開始の時点で60歳以上の男女 20,138人の比較も行いましたが、こちらについては性別による心臓発作リスクの違いはありませんでした。
考えられる理由

男女間でこのようなリスクの差が生じる理由は明確ではありませんが、エストロゲン(女性ホルモン)などのホルモンの保護効果が原因かもしれません。 そもそも今回の研究自体がホルモンによる心臓発作リスクへの影響に注目したものでした。 60歳以下(性別によるホルモンの違いが顕著な年齢ということでしょう)の男女を対象としたのもそのためです。

実用性

今回の結果から、女性よりも男性のほうが高コレステロールの治療の重要性が高いと言えます。 研究者によると、心臓発作の家族歴があったり、喫煙習慣のある男性では、コレステロールを適正に保つことが特に重要です。 コレステロールを減らすには、食事や運動などの生活習慣を改善したり、スタチンなどのコレステロール低下薬を服用します。

ただしコレステロールを適正に維持するのは女性にとっても大切です。 若い頃の心臓発作のリスクは男性のほうが高く、女性に比べて10年ほど早く心臓発作のリスクが増加し始めますが、一生を通して見れば心臓発作や脳卒中のリスクはむしろ女性のほうが高いのです。