コリンとは

米国NIHによると、コリンは食品中に自然に含有される必須栄養素。 アミノ酸の一種ではない。 コリンのサプリメントも市販されている。

コリンの役割

コリンは細胞膜にとって極めて重要な2種類のリン脂質「フォスファチジルコリン」と「スフィンゴミエリン」の合成に必要とされる。 したがって、動物も植物も構造を維持するのにコリンを必要とする。

コリンはさらに、記憶・気分・筋肉コントロール・その他の脳/神経系機能において重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの生産にも必要となる。

これらに加えてコリンは、遺伝子発現の調節・細胞膜シグナル伝達・脂質の輸送と代謝・初期の脳の発達においても重要な役割を果たす。

コリンの補給

コリンは体内でも作られる(肝臓で。大部分はフォスファチジルコリンの形で)ものの、人体で必要とされる量をまかなうには十分でない。 したがって、食事でコリンを摂取する必要がある。
  • 閉経前の女性は、コリン合成の触媒となる遺伝子がエストロゲンにより誘導されるため、他の大人や子供よりもコリンの必要摂取量が少ない。
  • 葉酸塩の摂取量が不足するとコリンの必要摂取量が増大する。 葉酸塩に代わってコリンが主要なメチル供与体となるためである。

コリンが豊富な食品

  • 牛の肝臓(ソテー): 85gあたり356mg
  • ゆで卵: 大サイズ1個あたり147mg
  • 牛の腿肉(焼き): 85gあたり117mg
  • 大豆(ロースト): 1/2カップあたり107mg
  • 鶏の胸肉(焼き): 1食分85gあたり72mg
  • タイセイヨウマダラ(加熱調理後): 85gあたり71mg
  • シイタケ(加熱調理後): 1/2カップあたり58mg
  • 低脂肪乳(乳脂肪分1%): 1カップあたり43mg
  • ブロッコリー(茹でて刻んで水気を切ったもの): 1/2カップあたり31mg
  • ピーナッツ(乾煎り): 1/4カップあたり24mg

コリンの推定所要量

  • 1~3才: 200mg/日
  • 4~8才: 250mg/日
  • 9~13才: 375mg/日
  • 14~18才: 男性550mg/日、女性400mg/日
  • 19才以上: 男性550mg/日、女性425mg/日
  • 妊娠中の女性: 450mg/日
  • 授乳中の女性: 550mg/日

コリンが欠乏すると

コリンが欠乏すると筋肉や肝臓がダメージを受けたり非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が生じたりする恐れがある。

米国の場合、コリン摂取量が推定所要量(*)に満たない人が大部分だが、妊娠していない健康な人に欠乏症の症状が現れることは滅多にない。 体内で合成されるコリンでカバーされているのだと思われる。
(*) 「推定所要量」は "Adequate Intake" を訳したもの。 "Adequate Intake" は "Recommended Dietary Allowance(栄養所要量)"を確定するのに十分なデータが存在しない場合に用いられる。

コリンの過剰摂取

コリンを摂り過ぎると、次のような問題が現れることがある:
  • 魚臭い体臭
  • 嘔吐
  • 多汗
  • 唾液過剰
  • 低血圧
  • 肝毒性
  • TMAOの増加