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チョコレートに高齢者の認知機能を維持する効果。 ただし条件がある

(2016年6月) "Journal of Alzheimer's Disease" に掲載されたリスボン大学などの研究によると、チョコレートを食べる習慣が高齢者の認知機能(思考力や記憶力)の低下を阻止するのに有効かもしれません。

研究の方法
認知機能が正常な65才超の男女531人の食生活を調べたのち、2~9年間(中央値は4年間)にわたって認知機能の変化を調査しました。
  • "Mini-Mental State Examination" と呼ばれる認知機能チェックにおいて2点以上下がっていた場合を「認知機能が低下した」とみなしました。
  • データの分析においては、年齢・教育水準・喫煙/飲酒習慣・BMI高血圧/糖尿病の有無を考慮しました。
結果

チョコレートを食べる習慣があるグループはチョコレート習慣がないグループに比べて、認知機能が低下するリスクが41%低くなっていました。

認知障害(認知機能の低下が一定以上に達した状態)のリスクとチョコレートを食べる習慣との間には関係が見られませんでした。

チョコレートを食べる量
チョコレートを食べる習慣があるグループを、チョコレートを食べる量に応じて2つに分けてさらに分析したところ、チョコレートを食べる頻度が週に1回(*)未満である場合にのみ、認知機能が低下するリスクが統計学的に有意に43%低くなっていました(†)

(*) ココアパウダーに換算するとテーブル・スプーンに1杯。 チョコレートバーなら3本。

(†) チョコレートを食べる頻度が週に1回以上の場合には、チョコレートを食べる習慣があっても認知機能が低下するリスクは統計学的に有意と言えるほどには下がっていませんでした。
カフェイン摂取量との関係
カフェイン摂取量も考慮した分析では、カフェイン摂取量が1日あたり75mg(エスプレッソ・コーヒー1杯分に相当)未満の場合にのみ、チョコレートを食べる習慣があると認知機能が低下するリスクが半減するという関係が見られました。
コーヒーをよく飲むという人では、チョコレートを食べる習慣があっても認知機能が低下するリスクが下がっていませんでした。
解説
チョコレートを食べる量の問題

チョコレートを食べる量が週に1回以上である場合に認知機能が低下するリスクが統計学的に有意には下がっていなかった理由について研究チームは、今回の研究データが質量ともに不十分だったためかもしれないとしています。

この研究ではチョコレートの種類を区別しませんでしたが、カカオ含有率が低く砂糖がたくさん入っているミルクチョコレートなんかだと食べ過ぎは逆効果かもしれません。
カフェインの問題

また、カフェインの摂取量が多いグループでチョコレートの効果が見られなかったのは、コーヒーとチョコレートとで認知機能低下防止の効果が重複するためかもしれません。

チョコレートにもカフェインが含まれています。 そして複数の研究で、カフェインに認知機能の低下を防ぐ効果のあることが示されています。