冬には悪玉コレステロールが増加する

ブラジルの研究
(2013年3月)ブラジルの大学が行った研究によると、冬にはコレステロールが増加し、暖かくなると再び元に戻ります。 その理由として考えられるのは、寒くなることによる食事の変化、運動量の減少、日光不足などです。

冬は寒いので、自ずとカロリーや脂肪分の多い食事が増えますし、真冬には寒すぎて普通はジョギングもできません。 また、日光が弱くなる冬には体内で作られるビタミンDの量が減ってしまいますが、これもコレステロールに影響することがあります。 参考記事: ビタミンD&カルシウムで悪玉コレステロールが減少

23万人近くの人たちのデータに基づく今回の研究によると、冬には悪玉の LDL コレステロールが夏に比べて、1デシリットル当たり7ミリグラム(8%程度)増加します。

逆に、夏には善玉であるHDLコレステロールが9%増えますが、中性脂肪(トリグリセライド)の量も5%増えます。

この結果は過去に行われた他の研究の結果と異なりますが、研究者によると、その理由はデータが集められた場所であるカンピナ市の地理的な特殊性にあるかもしれません。 カンピナ市は、標高が550~760メートルほどで、冬にも寒さが穏やかで、乾燥しています。

このことから研究者は、冬と夏の気候の差が激しい米国や、ヨーロッパその他の地域では、季節によるコレステロールの違いがもっと大きい可能性があると考えています。

ただし、季節によるコレステロールの変化が心血管疾患のリスクに及ぼす具体的な影響についてはまだ明らかではありません。

米国の研究
(2014年3月)"American College of Cardiology" の会合で発表されたジョンズ・ホプキンス大学の研究でも、冬には悪玉コレステロールが有意に増加することが示されています。

この研究で、2006~2013年に医師にコレステロールの検査を勧められた米国人男女280万人以上のコレステロール値を各季節で比較したところ、総コレステロール、LDL コレステロール、および非 HDL コレステロール(総コレステロールから HDL を差し引いた数字。 悪玉コレステロールのマーカーとして LDL よりも包括的)のいずれについても、夏に比べて冬の方が多くなっていたのです。

  • LDL および 非HDL コレステロールの冬季増加量は、男性で 4 mg/dL(3.5%)、女性で 2 mg/dL(1.7%)だった。

  • 中性脂肪の冬季増加量は、男性で2.5%だった。 (女性はソース記事に記載なし)

  • 総コレステロールの変動量は、男性で 4 mg/dL、女性で 2 mg/dL だった。

  • HDL コレステロールは季節間でほとんど変動していなかった。
研究グループは、冬だからといってコレステロールの検査頻度を増やす必要は無く、それよりも冬には心臓発作や脳卒中に気をつけて行動すべき(室内外の温度差に気をつけるなどでしょうか)だと述べています。

夏季に比べて冬季にコレステロールの状態が悪化する理由としては、こちらの研究グループも上述のブラジルの研究グループと同じ理由を推測しています。