飲酒習慣により心房細動のリスクが増加

(2016年9月) "Journal of the American Heart Association" に掲載されたカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究によると、長期間にわたり毎日飲酒していると、飲酒量が1日1杯と少なくても心臓の左心房が肥大化して心房細動のリスクが増加します。
心房細動とは
心房細動とは、心拍が不規則になり血液を適切に送り出せなくなった状態のことです。 心房細動は脳卒中や血栓のリスクが増加する原因となります。

過去の研究では、飲酒により心室に心筋症(心臓のポンプ機能に支障をきたす)が生じるリスクが増加することが示されています。

研究の方法

米国に住む男女5千人超(54%が女性。 平均年齢56才)を心電図で検査(6年間のうちに約1万8千回を行った)したデータを分析しました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 調査期間中に発生した 1,088件の心房細動が発生した。
  • 飲酒量が10g/日増えるごとに、心房細動を新規発症するリスクが5%増えていた。
  • 飲酒量が10g/日増えるごとに、左心房が0.16mm大きくなっていた。
  • 飲酒習慣による心房細動リスク増加の24%ほど(最大で75%)が左心房の肥大に起因するという計算になる。
  • 飲酒と心房細動リスクとの関係は、高血圧・糖尿病・喫煙習慣など心臓の健康に悪影響を及ぼす要因を考慮しても消滅しなかった。
解説
研究者は次のように述べています:
「飲酒を慎むのが心房細動の予防に有効である可能性があります。 しかし、アルコールが人体に及ぼす影響に個人差があるように、心房細動のメカニズムにもほぼ確実にバリエーションがあります。 したがって、飲酒が心房細動に及ぼす影響も一通りではあり得ません」
飲酒が左心房や心臓の電気活動にどのように影響しているのかは現時点では不明です。