不眠症の慢性化を防ぐには睡眠に振り分ける時間を減らすと良い

(2016年6月) "SLEEP 2016" にて発表されたペンシルバニア大学の研究によると、新しく生じた不眠症が慢性化するのを防ぐには、予定していた睡眠時間を取れていなくても目覚めた時点で布団から出るのが良いかもしれません。 出典: Shorter Time in Bed May Protect Against Chronic Insomnia

具体例

例えば午後11時に就寝し、午前7時半時に起床するつもりであったのに午前5時に目覚めてしまったという場合に、7時半まで布団の中でゴロゴロするのではなく目覚めた時点で布団から出るようにします。 このようにすることで70~80%のケースにおいて不眠症の慢性化を阻止できると考えられます。

不眠症とは

不眠症とは、2週間~3ヶ月間にわたり寝付けなかったり夜中に目が覚めたりすることが週に3晩以上続く状態のことです。

慢性的な不眠症(そしてそれに伴う睡眠不足)は、心身の能力を損なったり、精神面の健康を損なったり(抑鬱や違法薬物の使用など)、高血圧・糖尿病・心臓病・脳卒中などの疾患のリスクが増加したりする原因となります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「不眠症の人はついつい眠るのに充てる時間を増やしてしまいます。 昼寝の時間を設けたり、早めに床に就いたり、目覚めてしまっているのに布団の中で眠ろうとして四苦八苦してしまうのです」

「眠れなくて苦しんでいるのですから、眠る時間を増やそうとするのは当然にように思えますし、短期的にはそれで効果が上がることもあるでしょう。 しかし長期的に見れば、眠れないのに睡眠時間を増やすというのは睡眠時間と睡眠能力との間のギャップを広げているだけなので、不眠症は悪化します」
研究の概要
次の3つのグループから成る416人の1年分の睡眠データを分析しました:
  1. 1年間を通して睡眠に問題がなかったグループ。
  2. 当初は睡眠に問題がなかったが、やがて不眠症に陥り、その後不眠症が治ったグループ。
  3. 当初は睡眠に問題がなかったが、やがて不眠症に陥り、そのまま不眠症が慢性化したグループ。
416人のうち1年間のうちに不眠症に陥った(2または3のグループに属する)人は20%でした。 この20%のうち不眠症が治ったのは45%、定期的に不眠症になる体質へと移行したのは48%、慢性的な不眠症へと移行したのは7%でした。