腎臓疾患の患者ではウォーキングが有益①

ウォーキングで心臓疾患・感染症リスクの低下

(2014年4月) "Journal of the American Society of Nephrology" に掲載された研究によると、腎臓病患者はウォーキングによって心臓疾患と感染症のリスクを下げることが出来ると考えられます。

研究の背景

慢性腎臓病の患者では、心臓疾患と感染症が主要な合併症であり主な死因となっています。 心臓疾患と感染症はいずれも免疫系の機能不全が関与しています。 感染症においては免疫系の機能不足が、そして心臓疾患においては免疫系が慢性的な炎症(血管にダメージを受けるために心臓疾患のリスクが増加する)を引き起こすのが一因となっているのです。

運動に免疫力を強化する作用と抗炎症作用の両方をもたらす可能性は以前から知られていましたが、腎臓疾患の患者においてどうなのかは、あまり研究されてきませんでした。

研究の概要
今回の研究では2つの研究を行いました。
  • 1つ目の研究
    15人の患者に30分のウォーキングを(たぶん一度だけ)行ってもらったところ、運動後(運動の直後ということでしょう)には細菌(の侵略)に対する好中球(免疫細胞の一種)の応答性が改善され、さらに体全体において抗炎症環境が誘引されていました(炎症が起こりにくい体質になったということでしょう)。
  • 2つ目の研究
    20人の患者に、1日あたり30分のウォーキングを週に5回、半年間にわたって続けてもらい、ウォーキングをしなかった別の20人のグループと比較したところ、免疫細胞の活性と全身性炎症のマーカーが減少していました。
コメント
研究者は次のように述べています:

「今回の結果から、腎臓病の患者においても運動が抗炎症効果をもたらすことが示されました。 この抗炎症効果により、高水準にある心臓疾患のリスクが低下する可能性があります。

さらに今回の研究から、30分のウォーキング程度の運動であれば、腎臓病の患者の免疫系に害を及ぼさないと思われます」