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睡眠のリズムが乱れると腸内細菌のサーカディアンリズムも乱れる

(2014年10月) "Cell" 誌に掲載された Weizmann Institute of Science(イスラエル)の研究によると、ヒトやマウスの腸に住んでいる腸内細菌のサーカディアン・リズムは、宿主(ヒトやマウス)の生体時計の影響を受けています。

サーカディアン・リズムは哺乳類だけでなく細菌類にも備わっています。 今回の研究によると、宿主のサーカディアン・リズムが乱れると腸内細菌たちのリズムも乱れてしまって腸内細菌叢の構成にまで変化が生じ、これが肥満や代謝異常を引き起こすと考えられます。

頻繁に時差ボケを経験する人やシフト勤務で昼夜のリズムが狂う人に肥満・2型糖尿病・ガン・心血管疾患(心臓病や脳卒中など)が多いことは以前から知られていましたが、今回の発見によりその理由の説明がつくかもしれません。

研究の内容

マウスとヒトから1日のうちの様々な時間帯に糞を採取し、そこから入手した細菌群を分析したところ、糞を採取した時間帯によって細菌の量と生物活動が周期的に変動していました。

そして、 マウスの昼夜のリズムと食事を出すタイミングを変更すると、腸内細菌コミュニティーのリズムも失われ、コミュニティー内の細菌構成も変化しました。 このことから、腸内細菌のリズムを保つには、宿主の概日時計(生物時計)と食事のリズムの周期性が必要だと考えられます。

さらに、昼夜のリズムを狂わせた(時差ボケにした)マウスに高脂肪のエサを与えると、体重が増えて糖尿病に関与する代謝異常が生じました。

米国からイスラエルまで飛行機に乗って時差ボケになった2人のヒトでも、腸内細菌の構成に変化が生じ、肥満や代謝疾患に関与する細菌が優勢になっていました。