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水を飲む量を増やしてもCKD患者の腎機能低下ペースは鈍化しない

(2018年5月) "JAMA" に掲載されたロンドン健康科学センター(カナダ)などによる研究で、慢性腎疾患(CKD)の患者に水を飲む量を増やすように指導しても腎機能の低下ペースが遅くはならないという結果になっています。出典: Drinking more water does not slow decline of kidney function for patients with kidney disease, clinical trial shows

研究の背景

これまでの研究で、水分摂取量を増やすことで抗利尿ホルモンが抑制されて腎機能が改善する可能性が明らかになってきました。 そこで今回の研究では、水分摂取量を増やすことで腎機能の低下を鈍化させられるかどうかを調べました。

研究の方法

カナダに住むCKD患者631人を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ1年間にわたり水分摂取量を増やすように指導しました。

水分摂取量の増やし方

水を飲む量を増やすグループは、平素の水分摂取に加えて水を1日あたり1L~1.5L(性別や体重により異なる)余分に飲みました。 2週間かけて徐々に水分摂取量を増やすようにしました。 水を飲むタイミングは朝昼晩の3食の後でした。

ステージ3のCKD

被験者となったCKD患者はいずれもステージ3のCKDで、CKDになった原因は糖尿病や高血圧など様々でした。

ステージ3のCKDでは、まったくの無症状であるか症状が出ていても軽微であるケースが大部分ですが、腎機能の40%超~70%がすでに失われています。

腎臓疾患は発症後も進行が遅く何年間にもわたり症状が出ないことが珍しくありません。 したがって、CKDと診断された時点で腎機能が相当に低下していることがあります。

結果

1年後の時点で、水分摂取量を増やしたグループと増やさなかったグループとで、腎機能の低下ペースに違いがみられませんでした。

水分摂取量を増やしたことによる有害事象(副作用)は生じませんでした。

コメント

研究者は次のように述べています:
「大部分のCKD患者は水分摂取量を増やしても腎機能の低下ペースは遅くならないようです。 ただ、多くの患者は水分摂取量が足りていないので、今後の研究では水分摂取量が足りていない患者で水分摂取量を増やすのが有効かどうかを調べることになるでしょう」