地球温暖化が患者に及ぼす悪影響を大部分の医師が実感

(2016年10月) "Annals of the American Thoracic Society" に掲載されたジョージ・メイソン大学(米国)の調査で、地球温暖化が患者の容態に悪影響を及ぼすことを大部分の医師が実感していることが明らかになりました。出典: ATA International and U.S. Members Agree Climate Change Affects Patient Health

米国胸部学会の会員となっている68ヶ国の医師や研究者5千人(*)を対象に行われたアンケート調査で、回答者の80%以上が「気候の変化が患者のケアに直接的に影響している」と回答したのです。 影響が「重大である」と回答したのは28%、「そこそこである」は41%、「少しだけ」は14%でした。

(*) 診療に携わっているのは8割ほど。
具体的な悪影響
気候が患者の健康に及ぼす具体的な影響として会員が感じているのは、次のようなものでした:
  • 大気汚染による慢性疾患の重症化(88%)
  • アレルギー反応の増加(72%)
  • 熱中症(70%)
  • 嵐や洪水などの気象災害による事故(69%)
  • 蚊などが媒介する感染症(59%)
  • 食中毒や生水による下痢(55%)
会員のコメント
アンケートに寄せられた会員のコメントは次のようなものでした:
  • 地球温暖化や砂嵐のために慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息が悪化することが増えている。(アルゼンチン、バングラデシュ、米国、トルコ)
  • 気候の変化により湿度が上がったために、花粉やダニによるアレルギー性疾患が起こる期間が長くなっている。(オーストラリア)
  • これまで夏でも涼しいためにエアコンが備えられていなかった地域において、ここ数年間で夏の暑さがひどくなったために、夜に暑くて眠れない人が増えている。(カナダ)
  • 気温が上がったために熱中症で100人が死んだ。 将来的にも暑さは悪化し続けると思う。(エジプト)
  • 熱中症の患者なんて出たことがない地域なのに、2015年の夏には熱中症の患者を3人も治療した。(スイス)
  • 子供の頃には10月や11月にはセーターが必要となる寒さだったが、40才の今では12月の初頭も半袖で過ごしている。 蚊に悩まされるのも、昔は10月初頭までだったが今では12月にも蚊を見かける。(インド)
  • 洪水が増えたために、栄養失調が増えて不健康になっている。(ナイジェリア)