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コエンザイムQ10に抗酸化作用は期待できないかも

(2015年3月) "Nature Communications" 誌に掲載されたマギル大学(カナダ)の研究で、抗酸化物質として知られるコエンザイムQ10(ユビキノン)の抗酸化作用はさほどではなく、服用しても抗酸化物質としての効果は期待できないだろうという結果になりました。

研究者は次のように述べています:
「アンチエイジングに効果のある抗酸化物質として人気のあるコエンザイムQ10ですが、今回の研究によると、これまで考えられていたほどの効果は無いと思われます」
コエンザイムQ10(ユビキノン)
コエンザイムQ10は人体のあらゆる細胞に存在する脂質のような物質です。 細胞内のミトコンドリアが栄養素と酸素からエネルギーを取り出すにはコエンザイムQ10が必要です。 コエンザイムQ10には抗酸化作用もあると考えられてきたため、様々な疾患や老化に対して効果があるとしてサプリメントが販売されています。
研究の内容

研究チームは、コエンザイムQ10の体内量を思い通りに操作できるマウスを開発しました。 そして、このマウスのコエンザイムQ10体内量を減らしたところ、コエンザイムQ10不足によりエネルギーを生産できなくなったマウスは重い病気にかかったり早死にしたりしました。

ところが意外にも、コエンザイムQ10が不足しているマウスにおいても、細胞膜やDNAにおいてフリーラジカルによる損傷が増加しているという兆候は見られませんでした。 フリーラジカルによる損傷を被らなかったのは、マウス体内に備わる他の抗酸化メカニズムによるものでも無いようでした。
フリーラジカル
フリーラジカルは、人体に侵入してきた細菌を殺すなどの有益な役割を果たしますが、過剰に存在すると細胞を傷つけてガンや、脳卒中、心臓発作、糖尿病、動脈硬化などのリスクを増加させます。 老化の原因になるとも言われています。 フリーラジカルは体内で自然に作られるほか、日光や、農薬などの汚染物質が原因でも作られます。

その一方で今回の研究では、ミトコンドリアによるエネルギー生産におけるコエンザイムQ10の重要性に関する新たな知見を得ることが出来ました。

その詳細は不明ですが、研究者は次のように述べています:
「ミトコンドリアの機能不全を原因とする症例が多数存在しますが、その中にはコエンザイムQ10の不足が原因でミトコンドリアが機能不全に陥っているケースもあります」