コーヒーはアラビカ種とロブスタ種で認知機能を向上させる効果が異なる?

(2018年4月) "Metabolic Brain Disease" 誌に掲載されたウンム・アル=クラー大学(サウジ・アラビア)の研究によると、コーヒー豆の種類(あるいは淹れ方?)の違いによって認知機能を向上させる効果に差があるかもしれません。
Alharbi, W.D.M., Azmat, A. & Ahmed, M. "Comparative effect of coffee robusta and coffee arabica (Qahwa) on memory and attention"

コーヒー豆の種類

Wikipedia によると、世界で現在流通しているコーヒー豆は主にロブスタ種アラビカ種の2種類です。 アラビカ種のほうが生産量が多く風味にも優れています。 ロブスタ種は栽培が容易ですが風味において劣り安価で、安物のレギュラーコーヒーやインスタント・コーヒーに使用されます。

アラビカ種は酸味が強くロブスタ種は苦みが強いという特徴があります。 ロブスタ種のほうがカフェイン含有量が多めです。

アラビカ種の起源はアラブ周辺

アラビカ種の原産地はアフリカ大陸の東端(アラビア半島の対岸)に位置するエチオピアです。 アラビカ・コーヒーは、アラビア半島にあるイエメンからトルコを経て世界中に広まりました。

研究の方法

若く健康な女性300人を次の3つのグループに分けました(飲用量はいずれも100ml):
  1. ロブスタ・コーヒーを飲むグループ
  2. アラビカ・コーヒー(カフワ)を飲むグループ
  3. 水を飲むグループ

そして、各グループを対象に各種の認知機能テストを実施しました。

淹れ方の違い

カフワとはアラブ諸国におけるコーヒーの淹れ方のことで、コーヒー粉を湯に投入してから煮立てます。 「アラビカ・コーヒー(カフワ)」という書き方をしていることから、この研究においてアラビカ種のコーヒーはカフワという淹れ方で入れたのでしょう。

ロブスタ・コーヒーについては「小袋に入れて湯に溶かした」という記述があるので、コーヒー粉をティーパックに入れて湯に浸したのでしょうか。 いずれにせよアラビカ種とロブスタ種とで淹れ方が違ったのだと思います。

コーヒーは淹れ方によって成分が異なります。 コーヒー粉を煮立てるとカフェインの含有量が少なくなり、ポリフェノール類などの含有量が増加します。

結果

ロブスタ・コーヒーを飲んだグループでは注意力・認知機能全般・記憶力が向上していました。

アラビカ・コーヒーを飲んだグループでは注意力・認知機能全般・記憶力に加えて、認知的な反応速度と回答の正確さも向上していました。 眠気も少なくなっていました。

結論

研究チームは結論として次のように述べています:
「アラビカ・コーヒー(カフワ)で記憶力や注意力の効率が高まるのは、クロロゲン酸の含有量がロブスタ・コーヒーよりも多いためかもしれない」

CofeeChemistry.com によると、(生豆における)クロロゲン酸の含有量はロブスタ種のほうが多い(5.5~8.0%に対して7.0~10.0%)ので、上記の「ロブスタ種のコーヒーはクロロゲン酸の含有量が比較的少ない」というのは、カフワというコーヒーの淹れ方まで考慮した発言なのかもしれません。

クロロゲン酸について

クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用があるほか抗炎症作用も期待されています。 マウス実験では、クロロゲン酸に肥満抑制・インスリン抵抗性の軽減・肝脂肪の蓄積防止といった効果のあることや、クロロゲン酸を摂り過ぎると逆に体脂肪が減りにくくなったりインスリン抵抗性が増加したりすることが示されています。