コーヒーの飲用習慣で心房細動のリスクが増えることはない

(2015年9月) "BMC Medicine" に掲載された Karolinska Institutet(スウェーデン)の研究によると、コーヒーの飲用によって心房細動のリスクは増加しません。

研究者は次のように述べています:
「コーヒー飲用習慣と心房細動のリスクとの関係を調べた前向き研究として今回の研究は最大規模のものですが、コーヒー飲用量が多い人では心房細動のリスクが高いという関係は見られませんでした。 少なくとも、適量のコーヒー飲用であれば心房細動のリスクが増える心配はないでしょう」
心房細動とコーヒー飲用習慣

心房細動は不整脈の中で最も一般的なもので、脳卒中・心不全・死因を問わない死亡のリスクが増加する原因となります。 適量のコーヒーを飲む習慣がある人は脳卒中や冠動脈疾患(心不全の原因となる)のリスクが低いとする研究がある一方で、コーヒーを飲む量が多いと心房細動のリスクが増加するのではないかと疑われてきました。

研究の方法

41,881人の男性と 34,594人の女性を対象にコーヒーの飲用量に関するアンケートを実施し、その後12年間にわたる追跡調査を行いました。

結果

追跡期間中における心房細動の発生件数は、男性で 4,311件、女性で 2,730件でした。 コーヒー飲用量の中央値は男女共に1日あたり3杯でした。

男女を問わず、コーヒー飲用量と心房細動のリスクとの間に関係は見られませんでした。 コーヒー飲用量が極度に多いグループでも心房細動のリスクは増えていませんでした。

メタ分析

今回の研究ではその一環としてメタ分析も行いました。 メタ分析に用いられたのは、上記の男女のデータと過去に行われた4つの前向き研究のデータで、これらのデータを合計した被験者数は 248,910人、心房細動の発生件数は 10,406件でした。

男女別にコーヒー飲用量と心房細動リスクとの関係を分析したところ、男性ではコーヒー飲用により心房細動のリスクが増加し女性では逆にリスクが増加するという結果になりましたが、男女いずれの結果も統計学的に有意ではありませんでした。
男性の方が女性よりもコーヒーあるいはカフェインに対して過敏である可能性については今後の研究で調査する必要があります。
留意点
心房細動の病歴がある人が追跡期間開始の時点ですでにコーヒーを飲むのを止めていたり飲用量を減らしていた可能性が考えられます。 また、コーヒー飲用で心房細動のリスクは増えなくても、心房細動以外の不整脈のリスクが増加する可能性が残っています。