コーヒーを飲む量が多いほど高血圧のリスクが低い

(2018年1月) 鄭州大学などの研究グループが "Journal of Human Hypertension" に発表したメタ分析で、コーヒーを飲む量が多いほど高血圧のリスクが低いという結果になっています。

メタ分析の方法

コーヒーの飲用量と高血圧のリスクの関係について調べ 2017年7月中旬までに発表された10の研究のデータを分析しました。 データに含まれる人数は合計24万人超、高血圧の症例数は5万8千件でした。

結果

コーヒーを飲む量が1杯/日増えるごとに高血圧のリスクがコーヒーを飲む習慣が無い場合に比べて2%ほど低下していました。 コーヒーを2杯/日飲む場合には3%4杯/日飲む場合には5%6杯/日飲む場合には8%8杯/日飲む場合には10%のリスク低下でした。

関連情報

2つの類似メタ分析

2017年8月に "Nutrients" 誌に発表されたメタ分析でも、2016年11月までに発表された6つの前向き研究のデータ(20万人超)を分析して、コーヒーを毎日7杯も飲む場合にはコーヒーを飲む習慣がない場合に比べて高血圧になるリスクが9%低いという結果になっています。 コーヒー飲用量が1杯/日増えるごとに高血圧になるリスクが1%低下するという計算になります。

2017年12月に "European Journal of Nutrition" に掲載されたナポリ大学のメタ分析でも、コーヒーを毎日3杯以上飲む習慣がある場合にはコーヒーを飲む習慣がない人に比べて高血圧のリスクが3%低いという結果になっています。

この2つのメタ分析に用いられた研究データが恐らく今回のメタ分析と相当に重複しているのではないかと思いますが、「コーヒーを大量に飲む習慣があると高血圧のリスクが少し低い」という点で今回の結果と共通しています。

コーヒーの飲み過ぎに注意

ただ、「毎日7杯」というコーヒー飲用量は飲み過ぎでしょう。 コーヒーには心臓病予防や糖尿病予防などの健康効果が期待されていますが、そうした効果を調べた研究で適量とされるのはせいぜい5杯/日までです。 コーヒーの適切な飲用量が米国人や英国人では3杯/日だが日本人では2杯/日ではないかというデータもあります。

"American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された国立がん研究センターの研究では、コーヒー飲用量が3~4杯/日のときに総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)が最低(-24%)で、飲用量が5杯/日以上になるとリスク低下幅が小さくなる(-15%)という結果になっています。 この研究では40~69才の日本人男女9万人超を平均18.7年間にわたり追跡調査しました。

すでに高血圧の人

"International Journal of Cardiology"(2016年)に掲載されたパドヴァ大学(イタリア)の研究では、すでに高血圧になっている場合にはコーヒーをたくさん(3~4杯以上/日ほど)飲む習慣があると心臓発作や脳卒中のリスクが増加することが示されています。

ただし、運動習慣があればコーヒー好きの高血圧患者でも心臓発作や脳卒中のリスクが増えないとする研究もあります。 運動習慣にカフェインが循環器系に及ぼす悪影響を相殺する効果があるのではないかと考えられます。