著者: Manami Inoue & Shoichiro Tsugane
タイトル: Coffee Drinking and Reduced Risk of Liver Cancer: Update on Epidemiological Findings and Potential Mechanisms
タイトル: Coffee Drinking and Reduced Risk of Liver Cancer: Update on Epidemiological Findings and Potential Mechanisms
レビューの概要
- これまでに発表された観察研究やメタ分析の大部分では、コーヒー飲用習慣がある人は肝臓ガンのリスクが低いという結果になっている。 飲用量が多いほどリスクの低下幅が大きいとか、肝炎ウイルスに感染していてもいなくてもコーヒーを飲む習慣があると肝臓ガンのリスクが低いという結果にもなっている。
- コーヒー飲用習慣があると慢性肝疾患のリスクも低い。
- コーヒーのこうした効果は、①コーヒーの成分であるクロロゲン酸・フェノール化合物・カフェイン・、ジテルペンなどの作用、②コーヒーに備わる抗酸化/抗炎症作用、および③インスリン感受性の改善や、メタボリック・シンドロームと糖尿病の予防(*)などによると考えられる。
- これまでのデータからして、コーヒー飲用はおそらく肝臓ガンのリスクを低下させると思われる。 今後の研究で、そのメカニズムを解明したり因果関係を明確にすることが望まれる。
(*) 国立がん研究センターによる「糖尿病と肝がんのリスク」に「日本人において糖尿病は原発性肝がんのリスクを上昇させることは『ほぼ確実』という結論になりました」とあります。