コーヒーの飲用によって股関節骨折のリスクは増加しない

(2015年4月) "Nutrition Journal" に掲載された华中科技大学(中国)によるレビューで、コーヒーの飲用によって股関節骨折のリスクは増加しないという結果になりました。
Lusi EA, Di Ciommo VM, Patrissi T, Guarascio P (2015) Effect of coffee intake on hip fracture: a meta-analysis of prospective cohort studies. (Licensed under CC BY 4.0)
骨折(骨粗鬆症)のリスク要因としてカルシウム不足・運動不足・肥満。喫煙・飲酒が挙げられますが、20年ほど前からこれらに加えてカフェインの大量摂取も骨折のリスク要因ではないかと疑われています。 複数の研究により、カフェインによって骨密度が低下する(*)可能性が示されているのです。 しかし、これらの研究の結果は一致していません。
(*) カフェインは①尿を介して排出されるカルシウムの量を増加させる、あるいは②腸におけるカルシウム吸収効率を低下させることによって骨量の減少を招く可能性があります。
レビューの方法

今回のメタ分析では、コーヒーの飲用によって股関節骨折のリスクが増加するのか否かをはっきりさせることを目的として、過去に行われた10の前向き研究のデータを分析しました。 10の研究の合計で、被験者数は20万人超、股関節骨折の発生件数は 5,400件超でした。

結果
コーヒー(*)をまったく、あるいは滅多に飲まないグループに比べて、コーヒー飲用量が最も多い(研究により異なるが大体4~5杯程度)グループの股関節骨折リスクは1.13倍でした。 ただ、この数字は統計学的に有意ではないため、コーヒーの飲用によって股関節骨折のリスクは増加しないということになります。
(*) カフェイン抜きの(デカフ)コーヒーもデータに含まれていたのか否かについて原文には記載がありませんが、今回のレビューはコーヒーの成分のうちカフェインに焦点を合わせているので、デカフ・コーヒーは含まれていなかったのだと思います。
ただし研究チームによると、カフェインによる骨折リスクへの影響は骨折の種類によっても異なると思われるので、股関節以外の骨折についてはカフェインによってリスクが増加するかもしれません。