(2018年4月) "Bone" 誌に掲載された研究で、コーヒーを毎日4杯以上飲む人には骨折が多いという結果になっています。
これまでの研究
欧米人を調査したこれまでの観察研究ではコーヒー飲用量は骨粗鬆症性の骨折のリスクに影響しないという結果になっていますが、生体外実験や動物実験ではコーヒーの成分でもあるカフェインが骨の健康に及ぼす影響がカフェインの用量により異なる(多いと有害だが少量~適量であれば有益)ことが示されています。
研究の方法
シンガポールに住む45~74才の中国人男女6万3千人超を対象に、アンケートでコーヒーと紅茶の飲用量を調べたのち平均16.7年間にわたり股関節骨折の発生状況を追跡調査しました。
結果
追跡期間中に 2,502件の股関節骨折が発生しました。
コーヒーを週に1杯未満しか飲まないグループに比べて、コーヒーを毎日4杯以上飲むグループは、股関節骨折のリスクが32%増加していました。 男女別では、この数字は男性で46%および女性で33%でした。
また、閉経後の女性に限りますが、コーヒーを週に1杯未満しか飲まないグループに比べて、コーヒーを毎日2~3杯飲むグループは股関節骨折のリスクが低い傾向にありました(12%のリスク低下だが95%CIが0.76~1.01)。 カフェイン摂取量についても同じような関係が見られました。
お茶に関しては、男性でも女性でも飲用量と股関節骨折のリスクとのあいだに関係が見られませんでした。