風邪や、インフルエンザ、咽頭炎が治った後には歯ブラシを交換しますか?

(2013年5月) 風邪・インフルエンザ・連鎖球菌性咽頭炎(以下、「咽頭炎」)になった後には歯ブラシを新しいものに交換すると良いと言われていますが、"Pediatric Academic Societies Annual Meeting" で発表されたテキサス大学の研究によれば、少なくとも咽頭炎になった後は歯ブラシを新しくする必要はなさそうです。

1つ目の実験

この研究では2つの実験が行われました。 1つ目の実験では、咽頭炎の原因菌であるA群β溶血性連鎖球菌(GAS)を歯ブラシに暴露させて、そこで増殖させようと試みました。 すると、GAS は確かに歯ブラシで増殖し、48時間残存しました。

ついでながら、対照群としてGASに暴露させずにいたはずの2本の新品の歯ブラシにも、パッケージから取り出すときにも細菌が付かないように注意を払っていたにも関わらず細菌が増殖していました。 大人用の歯ブラシにはグラム陰性桿菌が、子供用の歯ブラシにはグラム陽性のブドウ球菌が繁殖していました。

2つ目の実験

研究グループは次に、咽頭炎にかかった子供たちが使っていた複数本の歯ブラシで GAS が増殖するかどうかを実験しました。

2~20歳の健康な子供たち27人、GAS 以外が原因の喉の痛みのある子供たち13人、そして咽頭炎の子供たち14人に、新しい歯ブラシで1分間歯磨きをしてもらいました(歯ブラシの数は計54本)。 そして、これらの歯ブラシを殺菌したカバーで覆って実験室に運び、そこで GAS の増殖具合を調べました。

その結果、GAS が残っていた歯ブラシは1本だけでした。 しかも、その歯ブラシは咽頭炎の子供が歯を磨いたものではなかったのです。 他の歯ブラシで細菌は繁殖していましたが、それらはどれも口の中に一般的に見られる細菌でした。

研究者は次のように述べています:
「今回の結果から、咽頭炎にかかった後に歯ブラシを新しいものに交換する必要はないと言えるでしょう」
ただし、研究者によると、この研究は被験者数が少なかったため、もっと大規模な研究で、今回の結果を確認する必要があります。