アジア人の結腸ガン腫瘍は望ましくない遺伝子変異が生じることが少ない

(2015年10月) "Journal of the National Cancer Institute" に掲載された Mayo Clinic(米国)の研究によると、結腸ガンは腫瘍の遺伝子的な内容も患者の生存率も人種によって異なります。出典: Genes of Colon Cancer Recurrence Differs...

黒人が白人に比べて、若い年齢で結腸ガンを発症したり生存率が低かったりする傾向にあることはこれまでにも知られていましたが、そのような違いが存在する理由はわかっていません。

研究の方法

ステージIIIの結腸ガン患者3千人超を被験者とする臨床試験のデータを分析しました。 被験者はいずれも、北米に在住でガンを除去する手術と化学療法を受けた患者です。

結果
主な結果は次の2点です:
  • 結腸ガン腫瘍においてBRAFおよびKRASという2つの遺伝子に変異が生じている頻度が白人・黒人・アジア人で異なっていた。 白人の結腸ガン腫瘍はBRAFに変異が生じていることが多い一方で、黒人の腫瘍にはKRASに変異が生じていることが多かった。 アジア人の腫瘍はKRASにもBRAFにも変異が生じていないことが多かった。

    BRAFとKRASに変異がある結腸ガンは治療成績が悪いことが知られています。
  • 50才未満の場合に限り、白人に比べて黒人は結腸ガンが再発するリスクが2倍超だった。 50才未満の黒人患者では50%ほどが5年以内に結腸ガンを再発していたのに対して、白人とアジア人では全年代を通じて5年再発率がそれぞれ22%と35%だった。
コメント
研究者は次のように述べています:

「過去の研究で黒人では結腸ガン腫瘍の一部の遺伝子が白人よりも変異しやすいことが示されていますが、今回の研究からも、黒人の結腸ガンが内因的に異なっていて若い黒人患者では侵攻性が強いことが多いのだと思われます」

「どの患者も臨床試験の被験者として治療を受けて経過を観察されたわけですから、今回見られた人種差が治療不足やガンのステージの違いのためだとは考えられません」