高齢者では色覚異常が珍しくない

(2014年2月) "Optometry and Vision Science" 誌に掲載された米国の研究によると、70才を超える高齢者では色覚異常が珍しくありません。 70才を超えてから色覚異常の人の割合が増加し始め、最高齢の年齢層では半分以上の人が色覚異常だというのです。

研究の方法

この研究では、先天色覚異常(色盲)では無い人たちの中から無作為に選ばれた58~102才の中高齢者865人を対象に色覚のテストを行いました。

結果

その結果、色覚異常は年齢層が高いグループに顕著で、70代半ばでは45%に、85才以上では50%に、そして90代半ばでは2/3近くに色覚異常がありました。

青黄色覚異常と赤緑色覚異常

今回の研究では「青黄色覚異常」と「赤緑色覚異常」という2種類の色覚異常のテストを行いましたが、865人のうち、いずれかのテストで異常が認められたのが40%、両方のテストで異常が認められたのは20%でした。

先天的な色覚異常は大部分が赤緑色覚異常ですが、高齢者に見られる色覚異常の80%近くは青黄色覚異常でした。 青黄色覚異常とは、青色と紫色や黄色と緑色/黄緑など明るい(柔らかで淡い)色を見分けられない異常のことです。

日常生活への影響も

加齢による色覚異常では、日常生活に支障を来たさないどころか異常の存在に気付かないケースも少なくありません。 しかし今回の研究では、2つ行われたテストのうち難易度が低い方で異常があると判断された高齢者が20%もいました。 難易度の低い方のテストで異常が認められる場合には、色覚を必要とする作業の遂行に支障を来たすと考えられます。

青黄色覚異常の原因
老人性の色覚異常、特に老人性青黄色覚異常の原因は次のようなものだと考えられています:
  • 瞳孔のサイズが小さくなるために眼に入る光の量が減少する。
  • 眼の水晶体が黄色っぽくなる。
  • 視力経路(vision pathways)の感度が変化する。
これらはいずれも加齢に伴う現象として知られています。 上記以外にも、緑内障・老人性黄斑変性(AMD)・糖尿病性眼病などの眼病が高齢者における色覚異常の増加に寄与している可能性が考えられます。 これらの眼病は少なくとも初期の段階では青黄色覚異常の原因となります。