財政危機にある国では若者がストレスを感じる

"PLOS One"(2013年9月)に掲載されたスェーデンの研究によると、重大な財政上の危機にあるギリシャでは、若者の精神衛生の状態が良くありません。 同年代のスェーデンの若者と比べて、ストレスと精神面での問題が多く、さらに将来に対して悲観的だというのです。

この研究では、ギリシャの大学生とスェーデンの大学生を対象に、健康とストレスに関するアンケートを実施しました。 ギリシャの大学生は、スェーデンの大学生に比べて心身の両面において悪い結果でした。

その一方で、ストレスに反応して分泌されるコルチゾールというホルモンの体内量は、意外にもギリシャの大学正のほうが高かった(「低かった」の間違いでしょう)のです。

しかし研究者によると、この結果は意外ではありません。 鬱状態にある人や、「燃え尽きた」人、慢性的なストレスにさらされている人ではコルチゾールの量が逆に下がることが過去の複数の研究で示されているのです。 短期的なストレスに対しては、人体はコルチゾールの放出量を増加しますが、ストレスが継続すると体がストレスに耐え切れなくなってコルチゾールの量が減少します。 それでもストレスが解消しなければ、免疫系が弱ってしまいます。
今回の研究では、研究グループが開発した新技術によって髪の毛からコルチゾールの体内量を調べました。 この技術では、コルチゾールの過去の体内量まで計測できます。 コルチゾールの体内量が樹齢のように髪の毛に痕跡を残すためです。
スェーデンの大学生とギリシャの大学生で、健康と QOL(生活の質)の差は歴然でした。
  • ギリシャの学生では124人の42%にあたる52人が生活上の深刻な事件(親が会社をクビになるなどでしょうか)を経験していたのに対して、スェーデンの学生では23%だった。
  • 「ストレスを感じている」と回答したのが、ギリシャの学生では47%だったのに対して、スェーデンの学生では21%だった。
  • 「将来に希望が持てない」と回答したのが、ギリシャの学生では24%だったのに対して、スウェーデンの学生では僅か5%だった。
研究者は次のように述べています:
「今回の結果から、ギリシャ人の若者の健康がスェーデン人の若者よりも相当に悪い状況にあることがわかります。 ギリシャの社会的な危機の影響が、ギリシャ国民の健康にも影響を及ぼし始めていると考えられます」