慢性閉塞性肺疾患による筋機能低下にビタミンCが有効

(2013年11月) "American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology" に掲載された研究によると、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者にビタミンC を静脈注射することで、筋肉の疲労が緩和され、呼吸も楽になります。

COPDと筋機能の低下

COPDの症状の1つに筋機能の低下がありますが、COPD患者で筋機能が低下する原因として考えられているのは、①体を動かさないことによる衰え、②細胞の中のエネルギーを作り出す部分(ミトコンドリア)の障害、そして③酸化ストレスなどです。

酸化ストレスでは、フリーラジカルと呼ばれる不安定な分子が他の分子を傷つけるために(傷つけられた分子も不安定になるので)連鎖反応が起こって、細胞と組織が損傷を受けます。

研究の方法
今回の研究では、COPD患者の筋機能低下の原因が酸化ストレスではないかと考え、10人のCOPD患者にビタミンC(*)または食塩水(プラシーボとして)を静脈注射したのちに、患者たちに膝の伸展運動を行ってもらって神経筋(神経と筋肉)の機能・呼吸・心拍数・血圧・血流・息切れなどを検査しました。
(*) ビタミンCは強力な抗酸化物質であり、酸化ストレスを解消する作用を持ちます。

そして数日後に、2つのグループで注射の中身を切り替えて(ビタミンC ⇔ 食塩水)、同じ運動と検査を繰り返しました。

結果

ビタミンCを注射したグループでは骨格筋の疲労が軽減されていました。 また、運動の前後に採血をして抗酸化物質の血中濃度を調べました。

ビタミンCを注射したグループでは、血中の抗酸化物質の濃度が上昇して、運動中の筋肉疲労が有意に軽減され、呼吸も改善されてゆっくりになっていました。 さらに、安静時の血圧と血流も低下していました。

今回の結果から、COPD患者における骨格筋の機能低下の原因が酸化ストレスである疑いが濃厚となり、COPD患者の筋力低下の治療に抗酸化物質が使える可能性が示唆されます。