COPDの予防にオメガ3脂肪酸のサプリメントは有効ではない

(2015年2月) "American Journal of Clinical Nutrition"に掲載されたコロンビア大学(米国)などの研究で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防にオメガ3脂肪酸のサプリメントが有効ではないという結果になりました。

これまで、機械論的なデータではオメガ3脂肪酸によりCOPDのリスクが低下する可能性が示唆されていましたが、疫学的なデータは十分ではありませんでした。

研究の方法

この研究では、米国在住の男女 120,175人の16年分のデータを調査しました。 食事に関する複数回のアンケートに基づくこのデータには、魚、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、オメガ3脂肪酸、およびオメガ6脂肪酸の摂取量などが含まれていました。 16年のうちにCOPDと新規に診断されたのは889人でした。

さらに、魚は「健康的な食事」(*)の構成要素の1つなので、「健康的な食事」から魚を除いた「健康的な食事(魚抜き)」という食事パターンを新たに設け、この「健康的な食事(魚抜き)」を考慮した分析も行いました。
(*) "Prospective study of major dietary patterns..."(リンク先は英文)によると、「健康的な食事(prudent pattern)」では野菜・果物・豆類・全粒穀物・魚・鶏肉を多く食べます。
結果

COPDの発症リスクに関与する14の要因を考慮したうえでの分析において、魚を食べる量が多いグループ(週に4回以上)は、魚を食べる量が少ないグループ(週に1回未満)に比べて、COPDのリスク(ハザード比)が有意に(29%)低下していました。

ところが、「健康的な食事(魚抜き)」を考慮した分析では、29%の低下が16%の低下となり、この有意性が失われてしまいました。
「健康的な食事(魚抜き)」を考慮した分析というのは、魚食によるオメガ3脂肪酸の摂取を排除して、サプリメント服用によるオメガ3脂肪酸の摂取がCOPD予防にもたらす効果だけを調べるためのものなのでしょう。

したがって、(魚食によらない)多価不飽和脂肪酸(*)の摂取量とCOPDの発症リスクとのあいだに有意な相関関係は認められないということになります。

(*) オメガ6脂肪酸も多価不飽和脂肪酸ですが、ここではオメガ3脂肪酸だけを指しているように思われます。
結論
研究チームは次のように述べています:
「(オメガ3脂肪酸などのような)単独の栄養素や食品を(サプリメントという形で)摂るよりも、食事内容を全般的に改善するのがCOPDの予防に有益だと思われる。 ただし、COPDの予防において重要なのはやはり禁煙である」