コエンザイムQ10でスタチンの副作用を予防できる可能性

スタチン(コレステロール低下薬)の副作用の1つに糖尿病の発症リスクの増加(9%)がありますが、オレゴン大学の研究によると、コエンザイムQ10でこの副作用を防止できる可能性があります。

血糖値のコントロールに関与する細胞応答機構にはインスリンの他に GLUT4 というタンパク質も関わっており、GLUT4 の発現量の減少によってインスリン抵抗性および2型糖尿病発症が助長されるのですが、一部のスタチン(*)により GLUT4 の発現量が減少する可能性があります。
(*) 一部のスタチンとは、親油性のスタチンです。 親油性のスタチンは、細胞膜を容易に通り抜けることが出来ます。 親油性のスタチンには、シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチンなどがあります。 これらのスタチンを高用量で服用すると、糖尿病のリスクが増加します。
今回の研究によると、細胞にコエンザイムQ10 を補給してやることで、スタチンの副作用である GLUT4 の減少を防ぐことができます。

今回の研究は細胞実験でしかないので、今後の動物実験と臨床試験で、コエンザイムQ10の服用がスタチンによる糖尿病リスク増加に対して有効であることを確認する必要があります。

スタチンで急性腎障害のリスクが1.3倍に」によると、スタチンでは急性腎障害のリスクも増加しますが、こちらもコエンザイムQ10の不足が原因だと考えられています。

一方、今回の研究で行われたテストでは、親水性のスタチンであるプラバスタチンでは GLUT4 の発現量は減少しませんでした(つまり、インスリン抵抗性や2型糖尿病が助長されない)。