体罰の後に子供に愛情を注いでも効果が無いばかりか逆効果

(2015年3月) "Journal of Clinical Child & Adolescent Psychology" に掲載されたデューク大学などの研究によると、親の体罰によって子供に生じた不安感と攻撃性は、体罰の後にいくら子供に愛情を注いでも解消されないばかりか悪化します。

研究の方法

この研究では、8ヶ国から選出した母子 1,000組超を対象に聞き取り調査を行いました。 調査項目は、体罰の程度や子供の不安感および攻撃性などでした。

結果

調査の結果、8~10才の子供に軽い体罰を加えた場合には、その後に愛情を注ぐことによって体罰の影響を(完全には解消されないものの)軽減できていましたが、重い体罰を加えた場合には愛情を注いでも子供の攻撃性や不安感は解消できていないケースが大部分でした。 重い体罰を受けた子供ほど不安感と攻撃性が増していました。

全体的に見て、普段から厳しい親が体罰を加える場合よりも、普段は優しいの親が体罰を加える場合に子供の不安感が悪化していました。 その理由は不明ですが、親の普段の態度と怒ったときの行動とのギャップに子供が困惑し恐れを抱いている可能性があります。

今回の結果からも、子供を叱るときには体罰を用いないのが良いと言えそうです。 現在、体罰を法律で禁じている国は43ヶ国にものぼります。
2013年の類似研究

"Developmental Psychology" 誌(2013年12月)に掲載された米国の研究でも、子供の躾(しつけ)に体罰を用いると、子供が攻撃的な行動をするようになるばかりか、体罰の後に親が子供に愛情を示しても、このような体罰の悪影響は緩和されないという結果になっています。

この研究では、3,200世帯から子供が1才、3才、および5才の時点でのデータを分析しました。 データに含まれていたのは、母親が体罰を行った頻度や、子供が示した攻撃的な行動、母親が子供に示した愛情の程度などです。