副腎皮質ステロイド薬で太る理由は褐色脂肪にあった

(2016年4月) 米国ボストンで開催中の "ENDO 2016" で発表予定であるプリンセス・アレクサンドラ病院 (オーストラリア)の研究で、副腎皮質ステロイド薬の使用により、脂肪燃焼効果を有する褐色脂肪の活性が阻害されることが明らかになりました。参考記事: Steroid Medicine Reduces Function of Calorie-Burning Brown Fat

副腎皮質ステロイド薬

副腎皮質ステロイド薬(グルココルチコイド)は免疫疾患や炎症性疾患の治療に用いられる薬です。 名前に「ステロイド」と付きますが、ドーピングに使われる筋肉増強剤として有名なアナボリック・ステロイドとは別物です。

副腎皮質ステロイド薬の副作用として体重増加や肥満が生じることが少なくありません。 その理由としてこれまで、ステロイド薬により食欲や飢餓感が促進されるためではないかと考えられてきましたが、今回の研究によると、褐色脂肪の働きが衰えるのも副腎皮質ステロイド薬による体重増加の一因だと思われます。

研究の方法
平均年齢28才の健康な男女13人(女性7人)にまず、1週間にわたって副腎皮質ステロイド薬の一種であるプレドニゾロンを毎日15mg投与し、その後、室温を19℃にまで下げた部屋で褐色脂肪の活性と食後の酸素消費量(≒エネルギー消費量)を調べました。
褐色脂肪は一般的に、寒さや食事により活性化します。

そして、2週間の空白期間を設けた後に、プラシーボを1週間にわたり投与して、プレドニゾロンを投与した後と同じ検査を行いました。

結果
プラシーボの投与時に比べてプレドニゾロンの投与時には、食事から得たエネルギーのうち白色脂肪へと変換されるものが増え、その分だけ褐色脂肪による熱生産量が減っていました。