指の関節を鳴らすのは関節炎の原因にはならない

(2013年4月) Uniformed Services University of the Health Sciences(米国)の研究によると、指などの関節をポキポキと鳴らしても関節炎のリスクは増加しません。

これまでにも、指の骨を鳴らすのと手の関節炎との関係を調べた研究は複数ありますが、指の骨を鳴らすほうが中手指節関節の関節炎のリスクが減ることを示唆する結果になったのは、そのうちの1つだけです。

研究の方法

今回の研究では、50~89歳の214人のデータを分析しました。 このうち135人がX線検査により手の関節炎であることが確認されていました。

これら214人について、拳の関節を鳴らす頻度や期間などの詳細、および手の関節炎のリスク要因に関するデータを収集・分析しました。

結果
主な結果は次の通りです:
  1. 215人のうち日常的に指の関節を鳴らしていたのは20%
  2. 日常的に指の関節を鳴らしていた人のうち、手の関節炎のある人は18.1%
  3. 日常的に指の関節を鳴らしていなかった人のうち、手の関節炎のある人は21.5%

上記の結果から研究者は、指の関節を鳴らすか鳴らさないかは、関節炎に影響しないと結論付けました。 指を鳴らし続けた年月や、指を鳴らす頻度についても、関節炎との関連は見受けられませんでした。

つまり、指の関節を鳴らすことで関節炎のリスクが減ることはないけれど、リスクが増えることも無いという結果です。 上記の他の研究の結果からしても、指の関節を鳴らすのは、関節炎のリスク要因とならないと言えそうですね。

類似研究
Donald Unger 博士という研究者が、60年間にわたって自分の左手の指の関節だけを鳴らし続け右手の指の関節は一度も鳴らさないという研究を行い、右手も左手も関節炎にならないという結果になっています。 博士はこの研究により2009年にイグ・ノーベル賞を受賞しています。

指の関節を鳴らすと握力が落ちる?

指の関節を鳴らすのは関節炎のリスク要因ではないかもしれませんが、1990年に発表された研究に、日常的に指の骨を鳴らしていると手がむくんで握力が落ちるリスクがあるという結果になったものがあります。

この研究では、45歳以上の人たち300人に参加してもらいました。 300人中74人に指の関節を鳴らす習慣があり、残りの226人にはありませんでした。 300人のうち、握力の低下を伴うような神経筋疾患や、炎症、難病の患者はおらず、手の関節炎を患う人の比率も両グループ(74人と226人)でほぼ同じでした。