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一夜漬けが非効率的だというのはホントだった

(2013年5月) "Journal of Neuroscience" に掲載されたカーネギーメロン大学の研究によると、ニューロン(脳の神経細胞)に関する限り、試験前に徹夜で勉強するのは効率が良くありません。 刺激にさらされ続けると、シナプス(ニューロン同士を接合する部分)が縮んでしまうというのです。

脳においては、シナプスがニューロンと他の細胞を接続することによって情報が伝達されますが、このシナプシスは刺激にさらされることで成長します。

今回の研究では、シナプスが短期的には従来考えられていたよりも強くなるけれども、その後間もなく一時的に弱くなることが示されました。 研究者は次のように述べています:

「シナプスはこれまで、最初は小さいものが段々と大きくなると考えられてきましたが、そうではなかったのです。 今回の研究によると、(学習により)強化されたばかりのシナプスは一旦刺激に弱くなり、そのときにさらに刺激が加えられると学習の効果が消え去ってしまいます。

これまでにも、試験前に慌てて詰め込むやり方よりも、日常的に予習・復習を繰り返して勉強と勉強のあいだに時間を空ける学習法のほうが効果的であると言われてきましたが、この研究でその理由が明らかになったわけです。

刺激を受けた(plasticity)直後のシナプスは「脆い」と言っても良い状態にあり、このときに学習などによりさらに刺激を与えるのは逆効果になります」
研究の内容

この研究では、遺伝子改造マウスを24時間刺激にさらすという実験を行いました。 実験内容は難しいので割愛しますが、マウスに刺激を与え始めると、マウスのシナプスはまず、NMDA受容体によって可塑性が向上します。 そして、次の12時間のあいだシナプスは強くなり続けます。(ここまでが 可塑期(plasticity phase) でしょうか?)

しかし、刺激が繰り返されるうちに、NDMA 受容体の機能が変化して不安定期(labile phase)に突入しシナプスが弱くなります。 この不安的期が数時間続いたあと、mGluR5 という受容体により安定期(stabilization peroid)が始まります。 シナプスで最終的に維持されるのは、安定期に入った時点で残っている強度となります。

この研究ではさらに、理想的なタイミングでシナプスへの刺激を完全に絶つか、あるいはグルタミン酸塩受容体拮抗薬を注射することで、不安定期の開始時に見られる超活性状態を維持できることも明らかになりました。