口内炎の原因
口内炎になる原因は厳密には明らかではありませんが、複数の要因が関与していると考えられています。 口内炎の原因として疑われているのは次のようなものです:
- 治療を受けた歯(詰め物や歯のひっかかり)や乱暴な歯磨き、口の中を噛むなどが原因の口内の小さな傷
- 香辛料の入った刺激的な食品や、酸性の食品
- チョコレート、コーヒー、苺、卵、ナッツ類、チーズ、パイナップル、キウイなどの食品への過敏反応
- 歯磨き粉やデンタルリンスに含まれるラウリル硫酸ナトリウム
- ビタミンB12、亜鉛、葉酸、鉄の不足
- 口の中に住む細菌(口内炎のある人は口腔内に住む細菌の種類構成が異なる)
- 花粉症などのアレルギー
- ピロリ菌(消化器の潰瘍の原因菌)
- 生理時のホルモン変化
- 心理的なストレス
- 炎症性腸疾患・自己免疫疾患・HIV/AIDSなどの病気
- 穀類に含まれるグルテンへの過敏反応(セリアック病)
- 遺伝的な体質。
長年のあいだヘルペスなどのウイルスが口内炎の原因だと考えられてきましたが、最近ではウイルスは口内炎に関わっていないと考えられています。
口内炎ができやすい人
口内炎は誰にでもできますが、女性のほうが口内炎になりやすいです。 特に、小さな口内炎がたくさんできるケースは女性に多いです。
口内炎が何度も再発する人が家族にいる場合には、本人も口内炎になりやすいです。 ただし、一家で口内炎ができやすいという場合、その原因は遺伝的なものでなくて環境的なもの(食事内容とか使ってる歯磨き粉に問題があるなど)であるケースもあります。
医師の診察を受けたほうが良いケース
- 異様に大きな口内炎。
- 口内炎が再発を繰り返す。 しかも、前のが治る前に新しいのができる場合。
- 口内炎ができてから3週間以上になるのに治らない場合。
- 口外の唇(赤唇縁)にまで広がる口内炎。
- 自分では対処できないほど痛みが強い場合。
- 口内炎のために飲食が困難になっている場合。
- 高熱を伴う口内炎。
歯の治療が口内炎の原因と思われる場合には歯科医に行きましょう。
発生箇所、見た目
口内炎は潰瘍の一種で、舌や舌の裏側、頬や唇の内側、歯茎、口蓋(口内の上側)など口の中のいたる場所に発生します。痛みがありますが、感染はしません。 口内炎は、中央部分が白色または黄色で、周辺部分が赤くなります。 口内炎ができる前日あるいは前々日から、口内炎ができる予定の場所に違和感を感じることがあります。
口内炎というと誰もがなる症状のように思いますが、口内炎ができる人は人口のわずか20%でしかないそうです。
家庭で出来る口内炎対策
口内炎を根本的に治す治療法は現在存在しませんが、次のような方法で症状を軽減できるかもしれません。 どの方法が効くかは原因によっても変わります。 口内炎の原因を特定できれば、その原因を排除することで口内炎を予防できるでしょう。
- 口内炎を氷のかけらで冷やす。
- 塩水または重曹水(1/2カップにつき小さじ1杯)で口をゆすぐ。
- あるいは、重曹に水を少し加えてペースト状にしたものを口内炎に塗る。
- "Quintessence International" 誌に掲載された研究に、ハチミツが口内炎の市販薬以上に口内炎に効くという結果になったものがあります。 数十人の被験者に毎食後にハチミツを口内炎に塗らせたところ、1日目に口内炎による痛みがほぼ無くなり、2日目には痛みが完全に解消され、4日目には口内炎が全て消滅するという結果だったのです。
- 酸化マグネシウムを1日に数回、口内炎に塗る。
痛みがひどいときは、ベンゾカイン(アミノ安息香酸エチル)を含有する市販の痛み止め薬(塗り薬)が有効です。 日本では、森下仁丹の「メディケア デンタルクリーム」にアミノ安息香酸エチルが使われています。
ただし、ベンゾカインは感覚神経を麻痺させる薬であり、メトヘモグロビン血症(組織への酸素供給が阻害される深刻な症状)の原因となる可能性があるため注意書きを良く読んでから(できれば医師に相談のうえ)使用します。 特に、米国食品医薬局(FDA)では、2歳未満の子供にベンゾカインを使用する場合には、医師の監督の下で行うことを求めています。 ベンゾカインは、子供の手の届かない場所に保管してください。- オメガ3脂肪酸を日頃から服用しておくことで口内炎の症状が緩和されるという結果になった研究があります。
ミョウバンを口内炎に塗り100まで数えた後、口をゆすぐ。 ミョウバンを塗ったときにしみるけれど一晩で治るそうです。
- クラッカーやトーストなどのような口内炎にこすれるような食べ物や、酸性またはスパイスの効いた食品は避ける。 これらの食品で口内炎がひどくなることがあります。
- 歯磨きは優しく。 そして、発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の入っていない口内炎用の歯磨き粉(ジェル歯磨き)を使いましょう。