クロス・エデュケーションによるリハビリは、休養日を最低限にすると効果が早く出る

(2018年9月) "Journal of Applied Physiology" に掲載されたビクトリア大学(カナダ)の研究によると、クロス・エデュケーションのトレーニングは連日のように行うのが効率的かもしれません。
Trevor S. Barss et al. "Time course of inter-limb strength transfer after unilateral handgrip training"

クロス・エデュケーションとは

クロス・エデュケーション」とは、脳卒中などで半身(体の右側あるいは左側)に障害が生じたときのリハビリの手法で、健康な側の半身を鍛えることによって障害が生じている側の半身の筋力や機能を回復しようというものです。

研究の方法

神経学的な問題が生じていない(*)男女19人に握力トレーニング6週間にわたり続けてもらいました。
(*) たぶん「脳卒中など半身に障害が生じる病気の病歴がなく概ね健康な」という意味。
ただし、この19人は次の2つのグループに分けられました:
  1. 握力トレーニングを週に3回おこなうグループ(11人)
  2. 握力トレーニングを毎日おこなうグループ(8人)

握力トレーニングの内容

どちらのグループも握力トレーニングの内容は同じで、握力を鍛える器具を目一杯の力で握るということを5回×5セット行うというものでした(5回×5セットで「1セッション」)。

結果

握力トレーニングを週3ペースで行うグループでは、12回目のセッションの後にトレーニングをしない側の半身(脳卒中患者がリハビリしたい側の半身)で筋力の増加が認められました。 ちなみに、握力トレーニングをした側の半身で筋力が増加したのは9回目のセッションの後(トレーニングを開始してから3週間目)でした。

いっぽう、握力トレーニングを毎日おこなうグループでは、トレーニングをしない側の半身で筋力の増加が認められたのは15回目のセッションの後(トレーニングを開始してから2週間ちょい)でした。

したがって、筋力トレーニングを行う側の半身のことを考えない(*)のであれば、クロス・エデュケーションによるトレーニングは休養日を必要最低限に抑えて続けるほうが効率的であると考えられます。
(*) たぶん「トレーニングで酷使することになるのを厭わない」という意味。