アブラナ科の野菜に期待される膀胱ガン予防効果 (レビュー)

(2018年8月) オハイオ州立大学の研究グループがアブラナ科の野菜の膀胱ガン予防効果についてまとめたレビューを "Molecular Nutrition & Food Research" 誌に発表しています。
Besma Abbaoui et al. "Cruciferous Vegetables, Isothiocyanates and Bladder Cancer Prevention"

アブラナ科の野菜

ブロッコリーのほか、カリフラワー・小松菜・ケール・青梗菜(チンゲンサイ)・クレソン・水菜・ルッコラ・白菜・キャベツ・大根・カイワレ大根・かぶ・ラディッシュ・わさび・カラシ(マスタード)などがアブラナ科の野菜です。

レビューの要旨

  1. これまでの疫学研究(細胞実験や動物実験などでなくヒトで病気のリスクを調べる研究)では、アブラナ科の野菜(特にブロッコリー)をよく食べる人は膀胱ガンのリスクが低いという結果になっている。
  2. アブラナ科の野菜にはグルコシノレートなどの植物性化学物質が含まれており、これが(アブラナ科の野菜が含有する)酵素によりイソチオシアネートへと分解されるが、このイソチオシアネートに抗ガン効果が期待されている。 参考記事: ブロッコリーの健康効果を最大限に引き出す食べ方
  3. 生体外実験では、イソチオシアネート(特にスルフォラファンとエルシン)に膀胱ガンの細胞を阻害したり、(膀胱ガンの)細胞分裂を阻止したり、(膀胱ガンの細胞を)アポトーシス(プログラム細胞死)へと導いたりすることが示されている。
  4. ガンの発生・促進・進行の各段階において発揮される(アブラナ科植物の)抗ガン作用の多くは、イソチオシアネートによるものだと考えられる。 ただし、そのメカニズムは完全には解明されていない。
  5. イソチオシアネートが生物の体内で利用されて抗腫瘍効果を発揮することは複数の生体内研究で示されている。 ヒトで行われた研究は少数であるものの、(イソチオシアネートを)経口で服用しても体内に吸収されることが示されている。
  6. イソチオシアネートが膀胱ガンの予防と治療に有効である可能性が細胞実験と動物実験で示されている。
  7. (アブラナ科野菜の)膀胱ガンへの効果に関して、今後も研究を続ける必要がある。