薬剤耐性のある乳ガンにも効きそうな新タイプの抗がん剤

"Chemical Science" 誌に、従来とは全くアプローチが異なる新しいタイプの抗がん剤に関する研究が掲載されています。

この研究によると、ガン細胞は、血液に含まれる糖をC末端結合タンパク質(CtBP)の燃料として用いることによって、互いに結合しています。 この結合によってガン細胞は、ダイマー(二量体)と呼ばれる細胞のペアをいくつも形成し、それによって成長・増殖するのです。

研究グループは、環状ペプチド阻害剤という CtBP の形成を阻害する化学物質を何種類も開発し、ガン細胞に対する効果をテストしました。 その結果、最も効果があったのが CP61 という物質でした。 研究グループは現在、乳ガン治療用の CP61 を開発中です。

乳ガンの20%において、化学療法への耐性が最終的に発生します。 ガンが化学療法に対する耐性を獲得すると、当初は化学療法の効果があったガンに化学療法が突然効かなくなり、ガンが成長し始めます。

研究者によると、CP61 は従来のものとはアプローチが全く異なるので、既存の化学療法への耐性を獲得してしまった乳ガンに対しても有効である可能性があります。

さらに、CtBP がガン細胞においてのみ活性を有しているという点に期待が持てます。 (健康な細胞にはあまり関わりの無い)CtBP を阻害する CP61 は、既存の抗がん剤よりも副作用が少ないと考えられるのです。

ただし、研究者の話によると、この薬(CP61)の完成には、少なくとも10年程度はかかるようです。