コンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。

クルクミンの抗炎症作用がガンの予防と転移阻止に効果

(2012年10月) "Carcinogenesis" 誌に掲載されたドイツの研究で、ターメリックの成分であるクルクミンに、前立腺ガンの転移を抑制する効果のあることが示されました。
ターメリックはカレーにも使われる香辛料で、数千年も前から薬草として使われてきました。 クルクミンはターメリックの有効成分であるポリフェノールで、カレーの独特の色合いはクルクミンに由来しています。

研究グループは以前に動物実験で、乳房の進行ガンから肺に転移した腫瘍を弱らせる効果がクルクミンにあることを明らかにましたが、今回の研究では、前立腺ガンの転移に対してクルクミンがに対してどの程度有効なのかを調べました。 さらに、クルクミンが作用する仕組みの解明も試みました。

研究の内容

研究グループは、前立腺癌腫の細胞中において制御が異常になっている分子プロセスに注目しました。 前立腺ガンと乳ガンは共通点が多く、①どちらも潜在的または慢性的な炎症反応が原因ではないかと考えられており、②いずれのガンの腫瘍細胞も、サイトカインCXCL1およびCXCL2(いずれも炎症誘発性の免疫調節物質)を生産します。

マウス実験を行ったところ、クルクミンの作用によって腫瘍が合成するCXCL1とCXCL2の量が減少し(つまり、炎症が減った)、それによって乳ガンまたは前立腺癌腫のあるマウスにおいて肺に転移性の腫瘍が形成される率が有意に低下しました。

クルクミンの利用法

今回の結果から研究グループは、クルクミンに、①前立腺ガンや乳ガンなど炎症が要因となるガンを予防し、および②腫瘍転移を阻害する効果があると考えています。 ただし、クルクミンは従来の治療法に取って代わるものではなく、ガンの予防や転移阻止に使うべきものだとのことです。

前立腺ガンの予防に

クルクミンは副作用が少ないので、腫瘍のリスクが高いだけでまだガンになっていない人(例えば、前立腺肥大症の患者や、乳がんの家族歴のある女性など)にも勧めることが出来ます。 研究者の話では、クルクミンは(1日あたり?)8グラムまで摂取して問題ないそうです。

前立腺以外のガンにも

クルクミンは、前立腺や乳房以外のガンにも有効かもしれません。 ミシガン大学の癌センターが行った研究では、クルクミンが頭や首のガンに対して有効であることが示されています。 過去に他の研究機関で行われた研究でも、ターメリックがガン以外に、変形性関節症やパーキンソン病に対しても有効である可能性が明らかにされています。 研究者によれば、ターメリックの有効成分であるクルクミンの抗炎症作用が、これらの病気に効くのではないかということです。

研究グループは今後、前立腺ガンに対するクルクミンの効果を確認するための対照臨床試験を行う予定です。