カレー・ライスは使われる香辛料が多いほど満腹感が強まる?

(2017年12月) "European Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたシンガポール臨床科学研究所の研究で、カレー粉(複数の種類の香辛料の混合物)の摂取によりGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンの分泌が促進されるようです。

GLP-1とは

GLP-1はインクレチンと呼ばれる消化管ホルモンの一種で、脳に満腹シグナルを送って食欲を抑制する作用があります。 GLP-1には次のような作用もあります:
  1. 血糖の量に応じて膵臓から分泌されるインスリンの量を増加させる。
  2. 胃酸の分泌を抑制し、胃がからっぽにならないようにする。
  3. インスリン感受性を高める。

これまでの研究で、ポリフェノールなどの植物由来の化学物質によりGLP-1が増加することが示されていますが、カレー粉の材料として使われる香辛料にもポリフェノールが豊富に含有されています。

研究の方法

クロスオーバー試験(*)において、健康な若い男性20人に香辛料の含有量が異なる3種類のカレー・ライス(カロリーなどの栄養は同じ)を食べさせました。
(*) 被験者を複数のグループに分けず、被験者全員に全ての選択肢を経験させる試験。 今回の話であれば、20人を3つのグループに分けて各グループに3種類のカレーのいずれかを割り当てるのではなく、20人全員に3種類のカレーを食べさせる。 1種類のカレーを食べてから次のカレーを食べるまでには一定の空白期間を設けて、1種類のカレーの影響が次のカレーに及ばないように配慮する。

結果

カレーに含まれる香辛料の量が多いほど食後の3時間におけるGLP-1血中濃度が高いという結果でした。 カレーに含まれる香辛料が増えるほどに、食後のGLP-1血中濃度のAUC(*)10,568 pg/ml/分 → 12,392 pg/ml/分 → 13,905 pg/ml/分 という具合に高くなっていました。
(*) "area under the curve(時間曲線下面積)" の略語。 時間経過も考慮した血中濃度。 「血中濃度×時間」で計算される。