分娩後にヘソの緒はすぐに切らない方が良い?

(2013年4月) 英国では1960年代から分娩後直ちにヘソの緒を切る方針になっていますが、近年ではヘソの緒を切るのが早過ぎると新生児に害があるという意見も出ています。

ヘソの緒を切るのを遅らせることによるメリット

この意見を主張する人たちによると、分娩直後の時点では、新生児の血液の1/3がヘソの緒と胎盤に存在するため、分娩後30秒~5分待ってヘソの緒の脈動が停止してからヘソの緒を切ることで、新生児が血液を完全に受け取れるのだそうです。

鉄分の不足は、脳の発達に影響することがありますが、CBS News が紹介する研究によると、分娩後に1分が経過してからヘソの緒を切るようにすることで、赤ちゃんの血液中のヘモグロビンの量が増え、生後半年のうちに鉄分欠乏症になるリスクが減ります。

英国では、ヘソの緒を最長で10日間も切らずにいるという方法を実践しているグループもあるそうです。

未熟児の場合には特に、ヘソの緒の脈動が自然に停止するまで待って新生児の貧血リスクを下げることが有益であると考えられます。

デメリットも

ヘソの緒を切るのを遅らせることで黄疸になるリスクが僅かに増加します。 黄疸では、血液の副産物が蓄積することにより肌や目が黄色になります。 健康な赤ちゃんでも生後4日以内に黄疸になるケースは少なくありませんが、合併症を生じることなく2週間以内に治るのが普通です。 ただし、合併症を生じたときには稀に、聴力の低下や、知的障害、行動障害が発生することがあります。

ヘソの緒を直ちに切る必要がある場合

ヘソの緒を直ちに切るのが適切である場合もあります。 それは、新生児が窒息状態にある場合や母親が大量に出血している場合です。

結論

ヘソの緒を切るのを遅らせるかどうかはメリットとデメリットや状況を天秤にかけて判断する必要があります。 世界保健機構(WHO)では現在、分娩後1~3分でヘソの緒を切ることを推奨しています。

米国産科婦人科医学会によると、ヘソの緒を切るのを遅らせるのが良いか否かを判断するのに十分な材料が現時点では未だ集まっていません。