他人を利己的だと考える人では脳卒中のリスクが2倍に増加

(2014年7月) "Stroke" 誌に掲載されたミネソタ大学の研究で、中高年者の心理的な要因(ストレスや鬱など)により脳卒中のリスクが増加する可能性が示されています。

この研究では、米国在住の成人男女 6,700人超を対象にアンケートを実施しました。 アンケートでは、過去2年間における慢性病、鬱症状、怒り(腹を立てる頻度と程度)、世間に対する敵意(*)などを尋ねたうえで、8.5~11年間にわたって追跡調査を行ないました。
(*) 世間をどの程度ネガティブに見ているか。 他者の利己性に対してどのようなイメージを持っているかから判断した。
アンケート回答者の年齢は45~84才で、53%が女性。 人種比率は、白人37.8%、中華系11.8%、ヒスパニック21.9%、黒人11.8%というものでした。 研究開始の時点で心血管疾患(心臓病や脳卒中など)がある人は含まれていませんでした。

追跡期間中に発生した脳卒中の件数は147件で、そのうち48件が TIA でした。 心理状態と脳卒中の発生率との関係は次のようなものでした:

  • 鬱症状が最も強いグループでは最も弱いグループに比べて、脳卒中または一過性虚血発作(TIA)になる率が86%高かった。
    一過性虚血発作
    一過性虚血発作(TIA)とは、脳の血流が一時的に遮断されるのが原因で起こる脳卒中のことです。 このニュースにおいて TIA だけが殊更に脳卒中と併記されている理由は不明。
  • 慢性的なストレス(自分や家族の健康問題、仕事、人間関係、金銭問題などによるストレス)が最も強いグループでは最も弱いグループに比べて、脳卒中または TIA になる率が59%高かった。

  • 敵意が最も強いグループでは(最も弱いグループに比べて)脳卒中または TIA になる率が2倍(100%)以上高かった。

  • 怒りに関しては、脳卒中リスクとの有意な関係が認められなかった。 参考記事: 心臓発作は、癇癪を起こしてから2時間以内が危ない
上記の結果の有意性は、年齢・性別・生活習慣などの脳卒中のリスク要因を考慮しても失われませんでした。

研究者によると今回の研究の弱点は、ストレスなどに対して何らかの対処がなされたかどうかまでは調べなかったという点と、データ人数が十分でなかったために心理的な要因が脳卒中のリスクに与える影響が性別や人種によってどう異なるのかを把握しきれなかった(一応は、性別や人種による違いは無かった)点です。