乳製品の摂取量が多い高齢者は自立した生活を送れることが多かった

(2019年5月) "The American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された九州大学や明治乳業などによる研究で、乳製品の摂取量が多い高齢者は身の回りのことを自分で行えなくなるリスクが低いという結果になりました。 研究グループによるとこの結果は、乳製品が含有するタンパク質のおかげかもしれません。
著者: Daigo Yoshida et al.
タイトル: Dairy consumption and risk of functional disability in an elderly Japanese population: the Hisayama Study

研究の方法

自立した生活を送れている65才以上の男女859人を対象に、食生活に関するアンケート調査を実施し、その7年後に生活の自立度を調べる2種類のアンケート調査(TMIGICと Barthel Index)を実施しました。

TMIGIC(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence)では、電車やバスを1人で利用できるか、生活用品を買い物できるか、食事の用意をできるか、金銭面の管理をできるか、年金関係の書類に記入できるか、読書をするか、交友関係はあるかなどを尋ねます。

Barthel Index では、入浴・着替え・トイレ・食事・移動などで不自由していないかなどを尋ねます。

結果

TMIGIC

乳製品の摂取量に応じて4つのグループに分けた中で、摂取量が最少だったグループに比べて摂取量が最大だったグループはTMIGICで「自立した生活を送れていない」と判定されるリスクが26%低下していました。 摂取量が上から2番めのグループでも19%のリスク低下でした。 3番めのグループでも15%のリスク低下でしたが、統計学的な有意性が微妙でした(95% CI: 0.71-1.02)。

TMIGICの質問項目は実生活・知的活動・社交という感じの3つのジャンルに分けられるのですが、そのジャンルごとに乳製品との関係を求めると、乳製品摂取量と障害リスクとの間に関係が見られたのは「知的活動」と「社交」だけでした。

Barthel Index

Barthel Index のほうでは、乳製品摂取量と自立生活を送れないリスクとの間に微弱ではあるものの統計学的に有意な関係が見られました。

タンパク質

(TMIGICと Barthel Index の両方の)こうした関係は、タンパク質摂取量の影響まで考慮して分析すると弱まりました。(したがって、この結果は乳製品が含有するタンパク質のおかげかもしれない)