(2018年10月) "British Journal of Nutrition" に掲載された東フィンランド大学の研究で、乳製品の摂取量と冠動脈心疾患(CHD)になるリスクとの関係が調査されています。
研究の方法
フィンランド(乳製品の摂取量が多い国)在住でCHDの病歴が無い42~60才の男性 1,981人を対象に、乳製品の摂取量を調べたのち平均20年間にわたりCHDの発生状況を追跡調査しました。
結果
状況
- 追跡期間中に472件のCHDが発生した。
- 乳製品の摂取量(中央値)は、発酵性乳製品が105g/日(87%が低脂肪の製品)で、非発酵性乳製品が466g/日(60%が低脂肪の製品)だった。
発酵性か非発酵性か
- 発酵性乳製品では、摂取量が最大のグループは最少のグループに比べてCHDになるリスクが27%低かった。
- 非発酵性乳製品では、摂取量が最大のグループは最少のグループに比べてCHDになるリスクが52%高かった。
低脂肪か高脂肪か
- 脂肪含有量別に分析すると、摂取量が多い場合にCHDリスクが低下(-26%)していたのは発酵性乳製品のなかでも低脂肪(脂肪分が3.5%未満)のものだけだった。
- 発酵性乳製品であっても高脂肪のものは、摂取量とCHDリスクとの間に関係が見られなかった。
- 非発酵性乳製品に関しても、脂肪含有量別に分析した場合には摂取量とCHDリスクとの間に関係が見られなかった(脂肪含有量別に分析すると、非発酵性乳製品の摂取量が多くてもCHDリスクが増加していなかった)。
低脂肪の発酵性乳製品に限り、摂取量が多いとCHDリスクが下がっていた。 他の3つのカテゴリーの乳製品に関しては、摂取量とCHDリスクとの間に関係が見られなかった。