乳製品を食べると脳の抗酸化物質が増える

(2015年3月) "The American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたカンザス大学の研究(*)によると、乳製品は脳の健康にとっても有益だと思われます。 グルタチオンという抗酸化物質が脳に存在する量が、牛乳を飲んでいる高齢者の方が多かったのです。
(*) In-Young Choi, Phil Lee, Douglas R Denney, Kendra Spaeth, Olivia Nast, Lauren Ptomey, Alexandra K Roth, Jo Ann Lierman, and Debra K Sullivan. Dairy intake is associated with brain glutathione concentration in older adults. Am J Clin Nutr February 2015 vol. 101 no. 2 287-293.
研究の方法

この研究では、健康な中高齢者60人(平均年齢68.7才)の一週間分の乳製品摂取量を調べ、磁気共鳴化学シフト・イメージングという器械を用いて脳をスキャンして脳に存在するグルタチオンの量を測定しました。

結果

乳製品摂取量と脳に存在するグルタチオンの量を照らし合わせたところ、1週間の乳製品平均摂取量が多い人では脳のグルタチオン濃度が高いという相関関係が見られました。

グルタチオン
グルタチオンには、脳の酸化ストレス(*)を排除する効果が期待されます。 脳の酸化ストレスは、アルツハイマー病やパーキンソン病などへの関与が疑われています。
(*) 酸化ストレスとは、活性酸素種と抗酸化物質のバランスが崩れた状態のことです。 活性酸素種(ROS)は人体にとって必要な存在ですが、ガンや老化の原因にもなるため抗酸化物質とのバランスが大切なのでしょう。

乳製品はヒトの脳におけるグルタチオン合成の基質(材料)として優れている可能性があり、そのために乳製品によって脳のグルタチオン濃度が増えているのかもしれません。

資金提供
この研究には、乳業の業界団体が設立した Dairy Research Institute という機関が資金を提供しています。