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牛乳をよく飲む女性は骨折しやすい。 ヨーグルトなら大丈夫

(2017年11月) "Journal of Bone and Mineral Research" に掲載されたウプサラ大学(スウェーデン)などの研究で、牛乳をよく飲む女性は骨折のリスクが高いという世間的な常識に反する結果となっています。

研究の方法

40~75才ほどの女性6万人超を対象に、食生活などに関するアンケート調査を行ったのち平均22年間にわたり股関節(骨盤と太腿の骨をつなぐ関節)の骨折について追跡調査を行いました。

結果

追跡期間中に6千人弱が股関節を骨折しました。

牛乳

牛乳を飲む習慣がない(飲用量が1杯/日未満)うえに野菜と果物の摂取量が多い(5食分/日以上)グループに比べて、牛乳をたくさん飲む(3杯/日以上)うえに野菜と果物の摂取量が少ない(2食分/日未満)グループは股関節骨折のリスクが2.5倍近く増加していました。

野菜と果物の摂取量まで調べたのは、乳製品の種類によっては酸化促進作用があるのが野菜・果物に備わる抗酸化効果で緩和されないだろうかと考えたためです。 牛乳をたくさん飲むけれど野菜・果物もよく食べるというグループでは、2.5倍という上記の数字が2.1倍にまで下がっていました。

発酵乳製品

ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品を2食分/日以上食べるうえに野菜・果物もよく食べる(5食分/日以上)グループは、発酵乳製品も野菜・果物もほとんど食べないグループに比べて、股関節骨折のリスクが19%低下していました。

解説

牛乳で骨折リスクが増えるのに発酵乳製品で骨折リスクが低下するのは、牛乳には発酵乳製品に比べてガラクトース(D-ガラクトース)と呼ばれる糖が大量に含まれているためかもしれません。 動物実験で、ガラクトースに酸化ストレスや慢性炎症(いずれも骨粗鬆症への関与が疑われている)を引き起こす作用のあることが示されています。

関連研究

  • "*The BMJ*"(2014年)に掲載された研究でも、牛乳の飲用量が多いと女性に限り骨折リスクが増加する(*)けれど、ヨーグルトの摂取量が多いと股関節に限るものの男女ともに骨折のリスクが低い(†)という結果になっています。

    (*) 摂取量が最低のグループに比べて最大のグループは16%のリスク増加。 摂取量が200g増えるごとに2%のリスク増加。

    (†) 摂取量が最低のグループに比べて最大のグループは、女性で30%、男性で25%のリスク低下。 摂取量が200g増えるごとに、女性でのみ8%のリスク低下。 股関節以外も含む骨折全体に関しては、男女ともにヨーグルト摂取量との間に統計学的に有意な関係がみられなかった。
  • "Osteoporosis International" 誌(2017年)に掲載された研究では、アイルランドに住む60才超の成人男女 4,310人を調査して、ヨーグルト摂取量が1段階(*)増えるごとに、骨粗鬆症のリスク(オッズ比)が女性では39%および男性では52%下がるという結果になっています。
    (*) 「食べる習慣がない」「週に2~3回食べる」「毎日1回以上食べる」の3段階。
  • "Journal of Clinical Investigation"(2016年)に掲載された研究では、卵巣を切除した(閉経後の女性を模した)マウスにヨーグルトにも含まれている乳酸菌を投与して骨密度の低下が抑制されるという結果になっています。 このことからヨーグルトがプロバイオティクスとして作用して骨粗鬆症リスクを低下させている可能性も考えられます。