昼間の眠気とビタミンDの不思議な関係

(2012年12月) "Clinical Sleep Medicine" 誌に発表された研究によると、昼間の眠気の原因がビタミンDの不足であるかもしれません。

研究の内容

睡眠障害の患者81人(大部分が閉塞性睡眠時無呼吸症だった)の昼間の眠気とビタミンDの血中濃度を測定したところ、ビタミンDの体内量が通常の範囲にあるグループではビタミンDが少ない人ほど昼間の眠気が強いという関係が認められました。

一方、ビタミンDの体内量が不足しているグループでは、黒人においてのみビタミンDの体内量と昼間の眠気の関係が見られました。 ところが、ビタミンDが不足している黒人のグループにおいては、ビタミンDの体内量が多いほど(つまり、ビタミンDが不足しているグループのうちでビタミンDの不足度が軽度であるほど)昼間の眠気が強いという関係が見られました。

研究グループによると、皮膚の色が濃いというのがビタミンD不足のリスク要因なので、人種によってビタミンDと眠気の関係が異なるというのも理にかなっています。

話の整理

今回の話を整理してみました。

肌の色が薄くて、日光に当たることでビタミンDが多く作られる人の場合は、ビタミンDが不足していない範囲内では、ビタミンDの体内量が少ないほど昼間に眠気が強くなるが、ビタミンDの体内量が不足するレベルにまで減ると逆に眠気を感じなくなる。

一方、肌の色が濃くて、日光に当たることで作られるビタミンDが少ない人では、ビタミンDが不足していない範囲内では、ビタミンDの体内量が少ないほど昼間に眠気が強くなってゆき、ビタミンDが不足するレベルに突入しても、そのままビタミンDの体内量が減るほどに眠気が強くなってゆく。

仮説

仮説を考えてみました。

日光に乏しい地域(白人)では、ビタミンDが不足していないのであれば現在の環境でビタミンDが補えているのだろうから太陽の出ている昼間に日向ぼっこしながら寝ていろということで、ビタミンDが不足しそうな人は昼間に眠くなるように出来ている。 しかし、ビタミンDが明らかに不足している人は、「もう環境的に全然ダメだ、日当たりの良いところを求めて積極的に歩き回らなくてはビタミンDが回復しないぞ」ということで眠気を感じない。 たぶん、ビタミンD不足の人でも、日向(ひなた)に来ればすごく眠くなるんじゃないでしょうか。

一方、日光が豊富な地域(黒人)では、ビタミンDが足りないときにはどこでもいいから眠っていれば必然的に日光に当たってビタミンDが回復するので、ビタミンDが足りない人は眠くなるように出来ている。