糖尿病患者の食事に関する5つの迷信

(2016年9月) 以下は、オハイオ州立大学の栄養士であるエリザベス・スナイダーさん(愛称「リズ」)が解説する、糖尿病患者の食事に関する5つの迷信です。

5つの迷信
もう炭水化物を食べることは出来ない
糖尿病患者は炭水化物を食べることができない、食べてはいけないと考えている人がいますが、それは誤解です。 炭水化物は人体にとって重要な栄養源であり、食物繊維の供給源としても大切です。 リズによると、問題となるのは炭水化物の種類です:
「白パンや、ジュース(果汁)、キャンディーなど精製度の高い炭水化物を食べると血糖値が急上昇してしまうわ。 そうすると糖尿病のコントロールが難しくなるの。 それは事実。 でも、全粒穀物で作られたパンや、豆類、皮付きのジャガイモなど炭水化物以外の成分をたっぷり含んでいる食品なら大丈夫。 こういった食品なら、次に食事をするまで血糖値を安定的に保ってくれます」
グルテン・フリーの食事で糖尿病が治る

グルテン・フリーの食事で糖尿病が治ったり、予防できたりすることを裏付ける科学的なデータは存在しません。 それどころか、食品にグルテンが含まれていると容積(かさ)が増えるので、グルテンを含まないグルテン・フリーの食品のほうが1食分あたりの炭水化物の含有量が多くなります。

野菜で血糖値が下がる
野菜が健康的な食品であるのは間違いありませんが、ブロッコリーや、サヤインゲン、レタスなどの野菜を食べるだけで血糖値が下がるということはありません。
「野菜を食べて血糖値が下がったという話をよく調べると、食後に散歩や芝刈り(*)などで体を動かしているわ。 野菜で血糖値が下がるというより、こういった身体活動で血糖値が下がると言うべきね」
(*) 「柴刈り」との混同に注意。 芝刈りが芝生の手入れであるのに対して、柴刈りは桃太郎のおじいさんがやるやつ。 「柴」とは小さい雑木という意味。
砂糖が入っていない食品なら血糖値は上がらない
例えばアイス・クリームの容器に「糖類不使用」と書いてあっても、アイスクリームに炭水化物が入っていないと言うことにはなりません(血糖値は炭水化物で上がるが、糖類だけが炭水化物だけというわけではない)。
「加工食品のパッケージには魅力的なキャッチ・コピーが書かれているわ。 けれど、キャッチ・コピーは不都合な情報を意図的に隠していることが少なくないの。 食品情報の全貌を知りたければパッケージの裏に書かれている成分表示にも目を通せばいいわ。 (その食品による血糖値の上がり具合に関して)大事な項目は2つ、内容量と炭水化物の総量よ」
糖尿病の民間療法
柑橘系の果実・セロリの根・酢などの食品で血糖値が下がる、あるいは糖尿病が治るという話が多数存在しますが、リズによるとその手の話は眉唾ものです:
「一般的な食品を用いた民間療法が有害かどうかということであれば、おそらく有害ではないでしょう。 でも、民間療法が体にとって最善の選択肢でないこともまた事実なの。 (たとえ体に良いことであっても)1つのことだけをやって他のやるべきことをおろそかにしていて、それで糖尿病をコントロールできるなんて甘い考えは今日限りで捨て去ることね」
リズのアドバイス

「糖尿病が治る食品なんて都合の良いものは存在しないわ。 私はいつもみんなに言ってるの。 『糖尿病であってもなくっても、理想的な食事は同じだよ』 って。 糖尿病の有無にかかわらず、脂肪分の少ない肉・デンプン質を含まない野菜・果物や全粒穀物などの炭水化物などを使ったバランスの良い食事を心がけましょう」

「それともう1つ。 食事を抜いちゃダメ。 食事を抜くと体に負担がかかるの。 それに、(一食抜いた後には)食べ過ぎちゃうことが多いから、そうすると使い切れなかった炭水化物が体に蓄えられちゃう」