立ち上がった後しばらくしてから生じる眩暈にも注意が必要

(2015年9月) "Neurology" 誌に掲載されたハーバード大学の研究によると、立ち上がったのち3分超が経過してから眩暈(めまい)がするタイプの立ちくらみにも要注意です。

起立性低血圧症

立ち上がったときに眩暈がしたりふらっとしたりするのは血圧の低下によるもので、起立性低血圧症と呼ばれます。 起立性低血圧症の定義は「立ち上がったり起き上がったりしてから3分以内に生じる血圧の降下」というものです。

起立性低血圧症は次により起こりやすくなります: 降圧剤などの薬の服用・高齢(65才超)・水分不足・パーキンソン病などの神経疾患(*)や一部の心臓疾患・低血糖・寝たきり・妊娠・食後。
(*) パーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経疾患は血圧の調節機能を乱すことがあります。

起立性低血圧症により転倒・脳卒中・心臓疾患のリスクが増加します。

遅延型起立性低血圧症

立ち上がったり起き上がったりしたのち3分超が経過してから血圧の降下が生じることを遅延型起立性低血圧症といい、起立性低血圧症よりも症状が軽度だとされています。

研究の方法

この研究では平均年齢59才の男女165人の医療データを分析しました。 データの内容は、神経系の検査と10年分の追跡調査の結果でした。 165人のうち42人が起立性低血圧症(以下「OH」)、そして48人が遅延型起立性低血圧症(以下「遅延型OH」)でした。

結果

10年間の追跡期間中に、遅延型OHだった48人のうち54%がOHへと進行し、31%がパーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経変性疾患を発症しました。

糖尿病患者では遅延型OHからOHへと進行するリスクが増加していました。 遅延型OHからOHへと進行しなかった人たちの多くは、利尿剤・抗鬱剤・降圧剤など血圧に影響する薬を服用していました。

死亡率

10年間における死亡率は、健常者のグループで9%、遅延型OHのグループで29%、OHのグループで64%というものでした。 遅延型OHからOHへと進行したグループの死亡率は50%でした。

留意点
今回調査対象となった165人はいずれも自律神経系を検査する必要があるとして専門の医療機関を紹介されて来た人たちだったため、データに偏りが生じている可能性があります。