自宅出産のほうが出産時のリスクが低い

(2014年2月) "*The BMJ*" に掲載されたオランダの研究で、出産経験のある妊婦であって妊娠合併症のリスクが低い場合には、自宅で出産するほうが病院で出産するよりも妊娠時のリスクが低いという結果になりました。
Ank de Jonge, Jeanette A J M Mesman, Judith Manniën, Joost J Zwart, Jeroen van Dillen. Severe adverse maternal outcomes among low risk women with planned home versus hospital births in the Netherlands: nationwide cohort study. The BMJ. DOI:10.1136/bmj.f3263
研究の方法

14万6千人ほどの(妊娠合併症が)低リスクの妊婦のデータを分析しました。

結果

が自宅で出産することを選択したのは63%にあたる 92,333人、病院で出産することを選択したのは37%にあたる 54,419人でした。

ICU に運ばれたり大量の輸血を必要となったりする事態になるリスクが、自宅で出産する場合には0.1%であったのに対して、病院で出産する場合には2.3%でした。 分娩時の出血のリスクについても、自宅出産の場合に1.96%であったのに対して、病院での出産の場合は3.76%でした。

解説

今回の結果は、熟練した助産婦がいて、万一の場合に妊婦を病院にまで運べる環境が整っている場合にのみ適用されると考えられます。

自宅出産には緊急事態となったときに母親あるいは新生児を病院まで運ぶのに時間を要するというデメリットがありますが、病院での出産にも低リスクの出産の場合には必要でないばかりか有害である可能性すらある処置を病院側がやりかねないというデメリットがあります。

プレスリリースによると、オランダは西洋諸国の中では自宅出産の割合が最も高い国だそうですので、自宅出産をしやすい環境になっているのかもしれませんね。

自宅出産のほうがリスクが低くなる条件をまとめると、次のようになります:

  1. 初回の出産ではない。
  2. 妊娠合併症(妊娠高血圧や妊娠糖尿病など)のリスクが低い。
  3. ベテランの助産婦がいる。
  4. 緊急時に病院にまで搬送するための手段が確保されている。