認知症と診断されても半数近くは人生に対してポジティブ

(2016年7月) "Alzheimer's Association International Conference" で発表されたケンタッキー大学の研究によると、軽度認知障害(MCI)あるいは初期の認知症と診断された患者本人は、自分の将来について一般的に考えられているほどネガティブ(後ろ向きな気持ち)ではありません。出典: Does a Dementia Diagnosis Have a Silver Lining? Study Suggests It Can

研究の方法

MCIまたは初期の認知症と診断された男女48人を対象に、生活の質(QOL)や自分の今後の生活の見通しに関するアンケートを実施しました。

アンケートの内容
このアンケートは "Silver Lining Questionnaire(SLQ)" と呼ばれるもので、これまでにガン患者を対象に実施されています。
"Silver Lining" は「逆境にあっての希望」という意味です。
SLQでは、次のような面に関して自分の病気がどれだけ良い方向に作用するかを尋ねます:
  • 人間関係
  • 人生の価値の理解
  • 他の人たちに及ぼす影響
  • 心の強さ
  • 人生観の変化
結果
半分近くの患者がポジティブ(前向きな気持ち)でいました。 認知症と診断された患者は次の点において特にポジティブでした:
  • 人生の価値を理解し、人生を受容する。
  • 失敗を以前ほど恐れなくなる。
  • 以前よりも内省することが増え、他者に寛容になる。
  • 人生の問題と向き合えるようになる。
  • 人間関係が強化される。 新しい人と出会う機会がある。
コメント
研究者は次のように述べています:
「 『認知症と診断されると抑鬱・拒絶・絶望などが生じる』 というのが一般的な認識ですが、ネガティブな気持ちになる人と同じくらいポジティブな気持ちになる人が存在しました」
今後
研究チームは今後、認知症と診断された後にポジティブな気持ちになる人とネガティブな気持ちになる人とでどこがどう違うのかを調べる予定です。 それが分かれば、認知症と診断されても後ろ向きな気持ちにならずに済む方法が考案されるかもしれません。