認知症の予防は個々の食品よりも食生活全体の改善で (レビュー)

(2018年7月) パレルモ大学の研究グループが食生活による認知症予防についてまとめたレビューが "Acta BioMedica" 誌に掲載されています。

レビューの概要

  1. 加齢による認知機能の低下を治療する薬物には効果的なものがない。 したがって、認知機能が低下しないように予防することが大切である。
  2. 食生活と認知機能との関係を示すエビデンスは豊富に存在する。したがって、認知機能の低下を阻止あるいは鈍化させるうえで栄養面からのアプローチが可能かもしれない。
  3. 高齢者の認知機能における食生活の役割を調べたこれまでの研究によると、(食生活の工夫により認知機能を維持しようとする際には)食品や栄養素を個別的に利用するのではなく、色々な食品を組み合わせて利用することによって相乗効果が得られる可能性がある。
  4. 例えば、メディテラネアン・ダイエットと呼ばれる食事法は認知機能低下の抑制やアルツハイマー病の予防に効果が期待されるし、DASH(*)と呼ばれる食事法にも脳神経を保護する作用がある。
  5. メディテラネアン・ダイエットとDASHを組み合わせた食生活を採用することで認知機能の低下ペースが鈍化しアルツハイマー病になるリスクが低下するというデータがある。

(*) 高血圧を予防することを目的として考案された食事法。 血圧を下げる効果とLDLコレステロールを下げる効果が認められており、心臓や血管などの健康に良いとして推奨されている。

DASHでは、野菜・果物・全粒穀物 ・ナッツ類・豆類を積極的に食べ、赤身肉・糖類・脂質・塩分を控えめに摂る。

「DASH」は "Dietary Approaches to Stop Hypertension" の略語。