認知症の発症年齢が若年化

(2013年5月) "Public Health" 誌に掲載されたボーンマス大学(英国)の研究によると、74歳未満で認知症などの神経性脳疾患(以下、併せて「認知症」)を原因とする死者の数の急激な増加は、ヒトの平均寿命が延びて高齢者が増えたからではなく、認知症やアルツハイマー病にかかる老人の比率が高くなったからです。 この調査によるとさらに、55歳未満から認知症が始まり、生活に影響を及ぼすケースが増加しています。

欧米で人口が多い国上位10ヶ国のなかで、1979~2010年の認知症を原因とする死者数の増加は米国が最悪で、男性では66%、女性では92%でした。 一方、第四位の英国では、男性が32%、女性が48%の増加でした。 他の原因による死者数が減少しているのとは対照的です。

認知症の発症年齢の若年化が進んでいるのに、働き盛りの年齢の人が認知症になるケースへの対策が遅れています。 世間的には未だ、認知症が老人の病気だと考えられているためです。

認知症による死者数の増加の原因について研究者は次のように述べています:

「憶測ですが、(1979~2010年という)短い期間における増加なので、遺伝的な原因ではないでしょう。

(認知症による死者数が増加した背景には)高齢者の数が増えたことの影響も幾分あるでしょうが、認知症の発症年齢が早まっているのも(認知症による死者数が増加した)理由の1つです。 調査対象となった各国間での数字の差や、認知症による死者数の増加が、過去30年間における生活の変化が大きかった(家の外で仕事をするようになった?)女性で甚だしいことから、(認知症の発症年齢が早まっているのは)複数の環境的な要因が原因であると考えられます。

環境的な要因とは例えば、電子機器の爆発的な普及、PC や電子レンジ・テレビ・携帯電話などの電磁波の増加、クルマや飛行機などの交通量の増加(四倍以上)による大気汚染、食品添加物などです。

(認知症の発症年齢が早まっている原因は)特定の1つの要因ではなくて、これらの環境的な要因の相互作用でしょう。 この相互作用は、認知症以外の疾患の数字にも表れています。 例えば、ガンによる死者数は減っていますが、ガンの発症率は増えています。 喘息の患者数も前代未聞の多さです。 さらに、男性の精子の数の減少、自己免疫疾患の患者数の増加。 これらの疾患の増加は全てライフスタイルと環境の悪化が原因だと考えられます。

(認知症の急激な増加が)環境や社会の変化による「疫病」(認知症は感染はしませんが)であるという認識を持つことが必要です」