心臓発作・脳卒中を予防するためにも欝病の治療は早急に

(2014年1月) 鬱病は心血管疾患(心臓発作や脳卒中など)のリスク要因になりますが、"Psychosomatic Medicine" 誌に掲載された米国の研究によると、鬱病患者に心血管疾患の兆候が見られる前に鬱症状を治療することで、将来に心臓発作や脳卒中を起こすリスクが半分ほどにまで減少します。

研究者は次のように述べています:

「過去の複数の研究で、鬱症状が心血管疾患のリスク要因であることはわかっていました。 ところが、既に心臓病になっている患者の鬱病を治療しても、心血管へのベネフィット(有益性)が見られなかったのです。

そこで私たちは考えました。 『心血管疾患になる前に鬱症状を治療するというのはどうだろうか? そうすることで心臓発作と脳卒中のリスクを下げられないだろうか?』と。 今回の結果から、その考えが正しかったと言えます」


今回の研究では、鬱病と診断された高齢者235人を2つのグループに分けて、一方のグループには通常のケア(鬱病のケアではなく、高齢者のケアということでしょうか)を実施し、もう一方のグループには抗鬱剤と心理療法を組み込んだ連携ケア・プログラムを実施しました。

研究開始の時点で心血管疾患が無かったのは168人。 この168人のうち、連携ケア・プログラムに参加したグループでは、8年間にわたる研究期間において、通常のケアを受けたグループと比較して、心臓発作または脳卒中のリスクが48%低下していました。

対照的に、研究開始の時点で既に心血管疾患を患(わずら)っていた67人においては、通常のケアのグループと連携ケア・プログラムのグループとの間で、心臓疾患または脳卒中のリスクに関して違いが見られませんでした。

この結果から、鬱病による心血管疾患のリスクを減らすには、心血管疾患を発症する前に鬱病の治療を行うことが必要だと考えられます。